「離婚後も住み慣れた家に住み続けたい！けれど、家を売却してまとまったお金もほしい……」
「離婚をして収入が減ったから住宅ローンを払うのが厳しい……」
とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
実は、そんな方のために、家に住み続けながらまとまったお金を受け取れる「リースバック」や、家を担保にまとまったお金を借りられる「リバースモーゲージ」という方法があります。
今回は、「リースバック」と「リバースモーゲージ」それぞれの特徴や、どんな人に向いているのかを比較して解説します。「リースバック」と「リバースモーゲージ」は似ているようで全く違う方法。2つの特徴を比較し、離婚後のライフスタイルに合った方法を選んでくださいね。
1．「リースバック」って何？
リースバックとは、あなたが住んでいる家を不動産会社や買取業者に購入してもらい、「賃貸」として家賃を払ってそのまま住み続ける方法のこと。
ここでは、リースバックの特徴を3つ解説します。
①リースバックは「不動産取引」
リースバックは、いわゆる「不動産取引」に位置付けされます。家という「不動産」を売買し、さらに「賃貸」として契約をするからです。
②「すぐに」所有権が移転する
リースバックを行うと、家の所有権は購入した不動産会社や買取業者に移転。つまり、購入した不動産会社が「所有者兼貸主」となります。
家を引き渡したその日に所有権が移転します。
③お金を「一括」でもらえる
住んでいる家を一括で買ってもらうため、まとまったお金を決済時に受け取れます。すぐに現金が欲しい方にとってはありがたい仕組みですよね。
2．「リバースモーゲージ」って何？
リースバックとよく間違えられるのが「リバースモーゲージ」です。 リバースモーゲージとは、住んでいる家を担保にして生活資金などを金融機関から借り入れる方法のこと。
そのまま家に住み続けることが可能で、借入を行った人が死亡した時に金融機関が担保としている家を処分し、借入金を返済するという仕組みです。
①リバースモーゲージは「融資」
リバースモーゲージは、生活に必要なまとまったお金を金融機関から借り入れる方法の一つ。金融機関としては、本人が住んでいる家を担保にできるためお金を融資することができるのです。
毎月の返済は「金利」だけなので、負担が少なく済みます。
②「未来に」所有権が移転する
リバースモーゲージでは、所有者が亡くなった時に家を売却し、金融機関がそのお金を回収します。そのため、所有権が移転する時期は「本人が亡くなった時」ということになります。
③お金を「少しずつ」もらえる
リースバックでは家を売却した時に一括でまとまったお金を受け取れますが、リバースモーゲージでは「年金」のようなかたちで融資上限額まで借りることができます。
必要な時に借りたり、定期的に受け取ったりできるので、ゆとりのある生活が実現可能。離婚して収入が減った方などにはありがたいですよね。
金融機関としては、将来的に家を売却することになるため、家の価値などを考慮したうえで借り入れ枠を設定します。
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3．リースバックに向いている人の特徴
リースバックにはどんな人が向いているのでしょうか。ここでは、リースバックに向いている人の特徴を4つご紹介します。
①お金に困っている人
リースバックは不動産会社などに住んでいる家を一括で買ってもらうため、まとまったお金が入ります。つまり、なるべく早くまとまったお金がほしい人にぴったりの方法。
立地や建物の状態が良ければ数千万円で取引されることになり、大きなお金を手にできるので、お金に困っている方にはおすすめです。
②引っ越しが困難な人
熟年離婚で1人になった高齢者の方や、仕事の都合上引っ越しができない方にもおすすめ。リースバックなら、今までと変わらない生活を送ることができて、引っ越しにかかる準備の手間や費用なども必要ありません。
さらに、そのまま住み続けるため、近所の人に家を売却したことが気づかれにくくなります。引っ越しをしなくていいので、気持ちの面でもお金の面でも楽ですね。
③住宅ローンがある人
離婚をして毎月の住宅ローン支払いが困難になり、困っている方も多いのではないでしょうか。
リースバックを使えば、家を売却することで住宅ローンの一括返済が可能に。まずは不動産会社に売却査定をしてもらい、「家がいくらぐらいで売れるのか」を把握しましょう。
そして、住宅ローン残債と査定額を照らし合わせ、一括返済ができる金額以上で売却できる場合はリースバックを活用することをおすすめします。
④家を維持管理するのが難しい人
家を所有している限り、5年後や10年後に家の修繕が必要になってきます。外壁や屋根などの補修、維持管理のための修繕にはかなりのお金がかかってしまいますよね。
リースバックなら「賃貸」として借りるかたちになるので、家の維持管理は貸主である所有者が行うことが多くなり安心です。
ただし、故意や過失によって窓ガラスを割ってしまったり、タバコのヤニで壁を汚してしまったりした場合は、借主が修理費用を負担することになるので気をつけましょう。
4．リバースモーゲージに向いている人の特徴
ここでは、リバースモーゲージに向いている人の特徴を3つご紹介します。
①所有名義を変えるのが困難な人
将来的に家を売却しても子どもに相続する気がなかったり、相続人がいなかったりする方は、リバースモーゲージが向いています。
相続人に相続の意志がなければ「相続放棄」を選択することも可能。そうなった場合、亡くなった後はせっかくの資産が「空き家」になってしまうかもしれません。
リバースモーゲージなら、家という資産を第三者に売却することで有効活用できます。相続人がいない場合や所有名義を変えるのが困難な方は、リバースモーゲージの活用が向いています。
②「リフォーム」をして住み続けたい人
リースバックは賃貸扱いなので、リフォームをするのに貸主の承諾などが必要になります。でもリバースモーゲージは、自分の所有している家なので好きなようにリフォーム可能。
「退去時の原状回復」のことを考えなくていいので、気兼ねなく自由にリフォームできます。
③お金を「少しずつ」受け取りたい人
年金にプラスして数万円の収入が入ってくることで日々の生活に安心感を得たい方は、リバースモーゲージが向いています。
上限額までのお金を定期的に借りられて、毎月の返済は「利息のみ」。そのため、毎月数万円の借入額を無理なく長い期間受け取ることが可能です。
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5．まとめ
今回はリースバックとリバースモーゲージについて解説しました。どちらも自宅を資金源として活用し、家に住み続けられる仕組み。住み慣れた家で豊かな生活を送ることができます。
リースバックとリバースモーゲージは似ているようで似ていない全く別のもの。それぞれに特徴やメリット、デメリットがあるため、2つの仕組みをしっかりと理解しておくことが大切です。
リースバック：売却金
リバースモーゲージ：借入金
両者の違いをふまえ、お金の事情や離婚後の生活スタイルなどに合わせてどちらを選ぶかを決めましょう。
とはいえ、専門的な知識も必要になります。ぜひ一度、リースバックやリバースモーゲージに詳しい不動産会社に相談してみてください。
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