近年、不動産売却の方法として注目を集めている「不動産買取」。
従来の仲介売却と比べて、スピーディーな取引が可能なことから、急ぎの売却を考えている方に特に人気です。
本記事では、不動産買取の基本的な仕組みから、具体的な相場、メリットまで、売却検討中の方に役立つ情報を徹底的に解説していきます。
1. 不動産買取とは?基本の仕組みを解説

不動産売却の方法は大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類があります。ここでは、不動産買取の基本的な仕組みについて、詳しく見ていきましょう。
①不動産買取の基本的な仕組み
不動産買取とは、不動産会社が物件を直接買い取る売却方法です。
通常の仲介売却と異なり、一般の購入者を探す必要がないため、スピーディーな売却が可能です。
買取の基本的な流れとしては、まず不動産会社による査定が行われ、その結果に基づいて買取価格が提示されます。価格に合意が得られれば、すぐに売買契約の締結に進むことができ、その後、決済と引き渡しが行われます。
この一連の流れは、通常1ヶ月程度で完了することが可能です。
②不動産買取の相場について
不動産買取の相場は、一般的な市場価格の約70%程度となるのが一般的です。これは、不動産会社が物件を買い取った後、リフォームや改修を行い、市場で再販売することを前提としているためです。
③買取と仲介の主な違い
比較項目 |
買取 |
仲介 |
売却期間 |
約1ヶ月 |
3〜6ヶ月以上 |
売却価格 |
市場価格の約70% |
市場価格 |
手続きの手間 |
少ない |
多い |
2. 不動産買取のメリット
不動産買取には、通常の仲介売却にはない独自のメリットがあります。
ここでは、主要な3つのメリットについて詳しく解説していきます。
①スピーディーな売却が可能
最短売却期間:数日〜1ヶ月
不動産買取の最大の特徴は、その売却スピードにあります。
通常の仲介売却では買主を探すところから始める必要がありますが、買取の場合は不動産会社が直接購入するため、最短で数日での売却も可能です。特に相続や転勤、債務整理などの理由で急ぎの売却が必要な場合に、大きなメリットとなります。
②確実な売却が実現
不動産買取では、信頼できる不動産会社と直接取引を行うため、契約後の破棄リスクが極めて低くなります。
また、決済日が明確に定められ、確実な資金回収が可能です。
これは、住宅ローンの審査や買主の気持ちの変化などによって取引が不成立になるリスクがある仲介売却と比べて、大きな安心感につながります。
③手間とコストを抑えられる
項目 |
買取売却 |
仲介売却 |
内覧対応 |
不要 |
必要 |
リフォーム工事 |
不要 |
場合により必要 |
仲介手数料 |
発生しない |
発生する |
3. 不動産買取の具体的な流れと期間
不動産買取の具体的な流れと必要な準備について、詳しく解説していきます。スムーズな売却のために、事前に確認しておきましょう。
①不動産買取の標準的な流れ
- 1. 物件情報の提供
2. 現地調査・査定
3.買取価格の提示
4. 売買契約の締結
5. 決済・引き渡し
不動産買取の流れは、通常の仲介売却と比べてシンプルです。
まず、売却を検討している物件の情報を不動産会社に提供することから始まります。
その後、担当者が実際に物件を訪問し、建物の状態や立地環境などを詳しく確認します。
この査定結果に基づいて買取価格が提示され、価格に納得できれば、すぐに売買契約の締結へと進むことができます。
契約から決済までの期間は、通常2週間から1ヶ月程度です。
特急で進める場合は、最短1週間程度での決済も可能な場合があります。
②必要な書類と準備するもの
不動産買取に必要な書類は、以下のようなものがあります。事前に準備しておくことで、よりスムーズな取引が可能となります。
書類の種類 |
詳細 |
必須書類 |
・不動産の権利証(または登記簿謄本)
・印鑑証明書
・実印
・固定資産税の納税通知書 |
補足書類 |
・建物の図面
・設備表
・管理規約(マンションの場合)
・修繕積立金の残高証明書(マンションの場合) |
③買取価格の決定方法
不動産買取における価格の決定は、複数の要素を総合的に判断して行われます。
価格決定の主な要素:
- 立地条件
- 築年数
- 建物の状態
- 周辺の相場価格
- 将来的な値動きの予測
特に重要視されるのが「再販価格」です。不動産会社は買い取った物件を改装や改修した後に再販することを前提としているため、予想される再販価格から諸経費や利益を差し引いた金額が買取価格となります。
4. 失敗しない不動産買取業者の選び方
不動産買取を成功させるためには、信頼できる業者選びが重要です。ここでは、優良な買取業者の特徴と選び方のポイントについて解説します。
①信頼できる不動産買取業者の特徴
優良な不動産買取業者を見分けるポイントは、まず第一に実績と評判です。
長年の取引実績がある企業は、安定した経営基盤を持ち、適正な価格での買取が期待できます。
また、査定時の対応も重要な判断材料となります。
丁寧な説明と明確な根拠に基づいた価格提示を行う業者は信頼できると言えます。
さらに、アフターフォローの体制が整っている企業も、安心して取引を任せることができます。
②買取業者を比較する際のチェックポイント
複数の不動産買取業者から査定を受けることは、適正価格を知る上で非常に重要です。その際は、単に提示価格だけでなく、以下の点にも注目して比較することをお勧めします。
チェック項目 |
確認ポイント |
基本要件 |
・宅地建物取引業免許の有無
・買取実績数
・営業年数 |
サービス内容 |
・査定の丁寧さ
・説明の分かりやすさ
・アフターサービスの充実度 |
5. まとめ
不動産買取のポイント
- ・不動産会社が直接物件を購入する方式で、通常の仲介売却より早く確実な売却が可能
・買取価格は市場価格の約70%程度が目安だが、物件状況や立地により変動
・売却までの期間は通常1ヶ月程度で、急ぎの場合は更に短縮も可能
・信頼できる買取業者の選定が、成功の重要なポイント
ただし、不動産買取が全ての方に最適というわけではありません。ご自身の状況や優先順位(売却価格か売却スピードか)をしっかりと見極めた上で、買取と仲介のどちらを選択するか検討することをお勧めします。