家族の介護が始まると、住まいの設備や間取りがいかに重要であるかに気付かされるものです。
「お風呂まで遠くて大変」
「トイレや脱衣所が狭くて介助しづらい」
このような悩みを解消してくれるのが、リノベーションです。なかでも、水回りの配置をそのままに間取りや使い勝手を見直す「水回りゼロ移動」のリノベーションは、コストを抑えながら利便性を高められると人気を集めています。
本記事では、水回りを動かさないリノベーションのメリットや、介護しやすい環境を整えるためのポイントを詳しく解説します。
1.水回りを動かさないリノベーションとは?
水回りを動かさないリノベーションとは、トイレや洗面所、浴室などの水回りの場所を大きく変更せずにリノベーションを行う方法です。使用している水道・排水の配管をそのまま活用するため、工事規模を最小限に抑えながら、動線や使い勝手を改善できます。
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2.水回りを動かさないリノベーションのメリット
水回りを動かさないリノベーションのメリットを詳しく解説します。
①費用を抑えられる
水回りの位置を変えると、どうしても大がかりな工事が必要となってしまい、費用や工期が大きく膨らむケースも少なくありません。しかし、水回りを動かさないリノベーションであれば、水道管や排水管の引き直しが不要なので、工事費用を大幅に削減しながら生活しやすい空間を作れるでしょう。
例えば、キッチンや浴室を移動させるリノベーション工事の場合、50万~200万円程度かかります。設置する階数を変える場合は、さらにコストがかかることもあるでしょう。
②施工期間が短い
間取りの変更や水回りスペースの移動を伴わないリノベーションは、施工期間が1〜2週間程度と短期間で完了するのが特徴です。
一方で、水回りの移動を伴うリノベーションは床下の配管工事や防水工事、設備の取り付けなど多くの工事が必要なため、施工期間が長くなりやすいといった特徴があります。
例えば、浴室の場所を変える場合は、排水管の移設・延長をはじめガス管や電気配線の移設、浴室の取り外し・撤去など大がかりな作業となり、2週間~1カ月程度はかかるでしょう。リノベーションをする箇所によっても期間は異なるものの、施工場所が複数の場合は仮住まいが必要となるケースも少なくありません。
既に介護が始まっているご家庭でも無理なく工事を依頼できることが、水回りを動かさないリノベーションの大きなメリットといえるでしょう。
③水道・排水のトラブルリスクが減る
水回りを新たな場所に移すときは、水道管の延長や新設が必要です。配管ルートが長くなればなるほど、水漏れや詰まりといったトラブルのリスクも高まります。
一方で、水回りを動かさずにリノベーションをする場合は、既存の配管を活かすため、移設によって起きやすくなるトラブルのリスクが軽減できます。
水漏れや詰まりなどが発生すると、さらなる工事やコストがかかってしまうでしょう。水回りを動かさないリノベーションは余計な修理やメンテナンス費用を防げるため、長期的にも安心できる工事といえます。
④本格的な移動リノベにも対応しやすいベースづくりとなる
水回りを動かさないリノベーションは、「将来的には大規模なバリアフリーリフォームをしたい」とお考えのご家庭にも、段階的に改修していくための土台づくりとしておすすめの方法です。
例えば、初めは洗面所やトイレの設備だけを整えて、将来に備えて配線・配管の位置や出入口の幅を広めにとっておくなど、次のステップにつながる設計をもとに工事を依頼できます。大規模工事の前段階として、無理なくスタートできるのも魅力といえるでしょう。
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3.介護しやすい家に仕上げるためのポイント
介護しやすい住まいを実現するために、押さえておきたい5つのポイントを詳しく解説します。
①動線を短くする
介護のしやすさを考える上で、まず見直したいのが「動線」です。
動線とは、家の中で人が移動するルートのこと。特に、寝室やリビングなどの居住スペースからトイレ、洗面所、お風呂などへの動線が長いと、移動するたびに大きな負担となってしまいます。
水回りを動かさずにリノベーションをする場合でも、動線を整理することでスムーズに移動できるようになります。
動線を整理する具体的な方法は、次のとおりです。
・寝室からトイレまでのルートに直通ドアを設ける
・リビングと水回りの間の出入口を追加する
・廊下の曲がり角を緩やかにする など |
リノベーションをする際の参考にしてください。
②段差をなくす
年齢を重ねると、少しの段差でもつまずきやすくなってしまうので注意が必要です。築年数の古い物件ではトイレやお風呂などの床の高さが違うケースが多く、転倒やケガのリスクが高まります。
段差を解消するためには、フラットな床材に張り替えたり、緩やかなスロープを設置したりなどの工夫が有効です。将来的に車いすや歩行器を使用する可能性も踏まえて、段差のない空間づくりを心がけましょう。
③出入口や廊下の幅は広く設定する
家の中の通路やドアの幅が狭いと、介助がしづらかったり、車いすの出入りが難しくなったりする恐れがあります。
一般的な目安として、出入口の幅は少なくとも75cm以上、可能であれば80〜85cm程度まで広げると、車いすでもスムーズに通れるとされています。さらに廊下の幅も90cm以上あれば、介助者と並んで歩けるため安全性と利便性も向上するでしょう。
特に、水回り周辺の廊下やドアは一日に何度も通る場所なので、リノベーション工事をする際に改善できないか検討することをおすすめします。
④ドアを引き戸タイプに変更する
介護をする際は、開き戸よりも引き戸タイプのドアがおすすめです。引き戸タイプであればスライドするだけで開閉できるため、車いすや歩行器でも移動しやすいだけでなく、介助者の手がふさがっているときでも移動しやすいでしょう。
トイレや脱衣所など水回りにつながるスペースだけでも引き戸に変えると、より生活しやすい空間となるはずです。
⑤手すりや照明を工夫する
リノベーションをする際、手すりや照明設備に工夫を施すのも大切なポイントです。トイレや浴室、玄関など立ち上がる動作が多いスペースでは、縦型と横型の手すりを併用すると動きやすくなります。
また、夜間に移動する際の転倒リスクを避けるために、センサーライトや足元灯の設置もおすすめです。スイッチ操作が不要で自動点灯するので、夜間でも安心して移動できるでしょう。
4.まとめ
水回りの位置を変えないリノベーションは、介護中でも施しやすい工事です。費用を抑えながら動線やスペース、設備を整えることで、介護する人もされる人も快適に暮らせる空間づくりを実現できるでしょう。
「うちもそろそろ親の介護が始まるかも」
「リフォームって何から始めたらいいか分からない…」
このようなお悩みを抱えている方は、リノベーションを得意とする業者に相談してみるのも一つの方法です。
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