リフォームとリノベーションは目的によって使い分ける必要があります。住まいに関する悩みはさまざまですので、それぞれの特徴を理解して自分に合った選択をしましょう。
「リフォームとリノベーションは何が違うの?」「自分はどちらを選択すればいいのだろう」このような疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、リフォームとリノベーションの違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
1. リフォームとリノベーションの違い
近年耳にすることが増えた「リノベーション」ですが、どのような意味があるかご存知でしょうか?
「リノベーションはリフォームの大規模版?もしくはその逆?」このような印象を持っている方も多いかもしれません。目的に応じた選択ができるようになるために、まずはリフォームとリノベーションの違いを押さえておきましょう。
◎リフォームとは◎
リフォームとは「元に戻すこと」を指します。
生活しているなかで、建物の老朽化は進みます。どれだけ丁寧に使っていたとしても、5年、10年と年月が経つとさまざまな箇所に傷みが生じてしまいますよね。
・床のキズ
・クロスの汚れや剥がれ
・木部の腐食
・設備の故障
このような建物の傷みを新築同様の状態に戻すのが「リフォーム」の役割です。「マイナスの状態からゼロに戻す」と考えるとわかりやすいでしょう。
◎リノベーションとは◎
リノベーションとは「性能や価値を向上させること」を指します。
時代が変化することで、住まいのトレンドや求められることも変化します。昔に建てられた家はほぼ全室和室ですが、最近は和室がない家も多いですよね。
・和室を洋室に変更
・間取り変更
・壁付けキッチンをオープンキッチンに変更
このように、マイナスをゼロに戻すだけでなく、さらに価値をプラスするのが「リノベーション」の役割です。
2. リフォームの特徴
リフォームとは「元に戻すこと」とお伝えしました。ここからは、リフォームのメリット・デメリットや、どのような方にリフォームがおすすめかを解説します。
◎リフォームのメリット◎
リフォームのメリットは3つです。
①工事期間が短い
②必要な部分だけを直せる
③完成後をイメージしやすい
リフォームは間取り変更のような大規模な工事を行う必要がなく、リノベーションよりも短い期間での工事が可能。工事期間が短いことで、生活面だけでなく費用面においても負担が少ないのがメリットです。
また、必要な部分だけを直せるのもリフォームのメリット。必要な部分だけを直すので、余計な費用をかけずに目的を達成できます。キッチンや浴室など、気になる部分だけを新築時のような状態に直してみるのもいいでしょう。
さらに、リフォームには完成後をイメージしやすいというメリットがあります。なぜなら、リフォームは新築時の状態に戻すことを主な目的としているためです。
間取りを変更するような工事の場合は完成形がイメージできない不安もありますが、リフォームであれば心配ありません。
◎リフォームのデメリット◎
リフォームのデメリットは3つです。
①新築時と異なる場合もある
②設計の自由度が限られる
③表面上の工事の場合、建物の劣化に気づけない
リフォームは新築時の状態に戻すことを主な目的としていますが、必ずしも新築時の状態に戻せる訳ではないことに注意が必要です。使用している材料や設備などと同様のものが現在も製造されているとは限りません。
木材、キッチン、ユニットバスなどは、新築時と同じものは既にないと考えた方がいいでしょう。同じサイズのものがあれば良いですが、場合によってはサイズも変わってしまい、設置するための工事が別途必要となることも。
こういった理由から、リフォームは設計の自由度が限られます。あくまでも現在の建物・室内の枠組みに収まるように工事をしなければなりません。
また、リフォームの場合は、クロスの貼り替えや設備の取り替えのように表面上の工事を行うことが多いです。表面上の工事では壁の内部や給排水管の状態までは確認できないので、目に見えない部分も「リフォームしたばかりだから安心」と誤解しないようにしましょう。
◎リフォームがおすすめな人◎
既存の間取りを変えずに生活の満足度を上げたいと考えている方は、リフォームがおすすめです。
具体的には、古くなった設備を新しくしたい場合や、フローリングや壁紙を直して部屋の印象を良くしたい場合などです。
リフォームであれば、工事期間を短く抑えられることに加え、場所を絞って段階的に工事ができるため、生活への負担も軽減できるでしょう。
3. リノベーションの特徴
リノベーションとは「性能や価値を向上させること」とお伝えしました。ここからは、リノベーションのメリット・デメリットや、どのような方にリノベーションがおすすめかを解説します。
◎リノベーションのメリット◎
リノベーションのメリットは3つです。
①設計の自由度が高い
②最新のトレンドを取り入れられる
③資産価値が向上する
リノベーションは既存の壁や床を解体して工事を行うことから、現在の枠組みに捉われない自由な設計が可能。子ども部屋を作るために大きな部屋を2つに区切ったり、介護のためにバリアフリーな間取りにしたりと、理想のライフスタイルの実現に最適な方法と言えるでしょう。
また、室内に最新のトレンドを取り入れられるというメリットも。近年ではテレワークや在宅勤務など、働き方にも多様性が求められていますね。そのようななかで、「自宅でも仕事に集中できるスペースが欲しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
自宅をリノベーションして書斎を作るなど、社会のトレンドに合った住まいを実現できます。その他にも、「IoT住宅」といったスマホや音声で玄関の鍵や室内の照明、浴室のお湯張りなどができる設備に変更することも可能。
最新のトレンドを取り入れられるということは、築年数の経過した建物であっても資産価値の向上が期待できることを意味します。固定資産税などの指標となる評価額はリノベーションによって変わることはありませんが、売却する際の価格に反映させることはできるのです。
将来的に売却を考えている方は、リノベーションすることで快適さを手に入れるだけでなく、資産価値の向上も期待できますよ。
◎リノベーションのデメリット◎
リノベーションのデメリットは3つあります。
①完成がイメージしにくい
②期間がかかる
③思わぬ出費が発生することもある
リノベーションでは既存の壁や床を解体して新たな間取りを作り上げるため、完成がイメージしにくいです。リノベーション会社によっては完成イメージを3Dで作成してくれるところもありますが、実際に完成した後に「イメージと違った」ということも起こり得るでしょう。
また、リフォームと違いリノベーションは工事の規模が大きく、完成するまでに数ヶ月かかることも。工事を発注する前に必ずリノベーション会社と綿密な打ち合わせを行い、スケジュールを確認することが大切です。
さらに、リノベーションは思わぬ出費が発生することもあります。壁や床の解体を行うなかで普段は目に見えない部分が劣化・故障していたケースや、予想していなかった場所にある建物の躯体の影響で当初の予定通りに工事が進まないなどのトラブルが発生するケースも。
事前に対策をするのは難しいですが、そのようなこともあると認識しておいてくださいね。
◎リノベーションがおすすめな人◎
ライフスタイルの変化で部屋の間取りを変えたい方や、生活動線に不満がある方などは、リノベーションがおすすめです。
生活するなかで抱える不満には、リフォームだけでは対応できないこともあるでしょう。リノベーションでこれまでの住まいを大規模に変更することで、理想の住まいを実現できます。
4. まとめ
リフォームとリノベーションの違いや、それぞれのメリット・デメリットについて解説しました。リフォームは「元に戻すこと」、リノベーションは「性能や価値を向上させること」です。
住まいに感じる悩みや不満によって、リフォームかリノベーションかを選択する必要があります。それぞれのメリット・デメリットをふまえて、自分の目的を達成できる方法を選んでくださいね。
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