不動産を売却するとき、最も悩ましいのが「いくらで売り出すべきか」という価格設定ですよね。高すぎて売れ残るのも困りますし、安すぎて損をするのも避けたいもの。実は、適正価格の設定方法にはコツがあります。今回は、不動産のプロが実践している価格設定の決め方と、市場相場を正確に見極める方法をわかりやすく解説します。
1. なぜ適正価格の設定が重要なのか

不動産の価格設定は、売却の成功を左右する最も重要なポイントです。適正価格を設定することで、以下のメリットが得られます。
まず、適正価格で売り出すと、購入希望者からの問い合わせが増えます。不動産は「価格が適正かどうか」を多くの人が判断基準にしているからです。相場よりも大幅に高い価格では、どんなに良い物件でも見向きもされません。
一方で、安すぎる価格設定も問題です。「なにか重大な欠陥があるのでは?」と疑われたり、本来得られるはずの利益を失ったりする恐れがあります。
適正価格の設定は、「早期売却」と「適正な利益確保」の両方を実現するために欠かせません。売却活動をスムーズに進めるためにも、正しい価格設定の方法を身につけましょう。
よくある価格設定の失敗パターン
多くの売主さまが陥りがちな失敗パターンをご紹介します。
高すぎる価格設定による長期化
「できるだけ高く売りたい」という気持ちから、相場を大幅に上回る価格で売り出してしまうケース。結果的に売れ残り、最終的に相場以下での売却になることも少なくありません。
感情的な価格設定
「思い出の詰まった家だから」「リフォーム代をかけたから」といった個人的な思い入れで価格を決めてしまうパターン。残念ながら、市場はそうした感情的な価値を評価してくれません。
このような失敗を避けるためにも、客観的で戦略的な価格設定が必要です。
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2. 市場相場を正確に調べる方法

適正価格を決めるためには、まず市場相場を正確に把握することが大切です。相場調査にはいくつかの方法がありますので、複数の手法を組み合わせて使いましょう。
インターネットでの相場調査
最も手軽で効果的な方法が、不動産ポータルサイトを活用した相場調査です。SUUMOやHOME'S、アットホームなどで、あなたの物件と似た条件の売り出し物件を検索してみましょう。
調査のポイントは、以下の条件を可能な限り近づけることです:
・立地(最寄り駅、駅からの距離)
・築年数(±5年程度)
・間取り・専有面積
・建物の構造・グレード
ただし、インターネットで確認できるのは「売り出し価格」であって「成約価格」ではないことに注意が必要です。実際の成約価格は、売り出し価格から5~10%程度下がることが一般的です。
不動産会社による査定
プロの不動産会社による査定は、最も信頼性の高い相場情報です。不動産会社は過去の成約事例や市場動向を詳しく把握しているため、より正確な価格帯を提示してくれます。
査定を依頼する際は、必ず複数の会社に依頼しましょう。1社だけでは偏った情報になる可能性があります。3~5社程度に査定を依頼し、その平均値を参考相場として考えるのがおすすめです。
公的データの活用
国土交通省の「不動産取引価格情報検索」や「路線価」なども参考になります。これらの公的データは無料で利用でき、過去の実際の取引価格を確認できます。
ただし、個別の物件情報が詳しく載っていないため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
正確な相場を知りたい方は、ハウスウェルの専門スタッフにご相談ください!
3. 価格設定の具体的な決め方

相場を把握したら、いよいよ実際の売り出し価格を決めていきます。価格設定には、戦略的なアプローチが重要です。
「売り出し価格」と「希望価格」の使い分け
不動産売却では、「売り出し価格」と「最終的に売りたい価格(希望価格)」を分けて考えることが大切です。
一般的に、購入希望者は売り出し価格から値引き交渉をしてきます。そのため、希望価格よりも5~10%程度高めに売り出し価格を設定するのが基本戦略です。
例えば、最終的に3,000万円で売りたい場合、3,200万円程度で売り出すといった具合です。ただし、相場から大きく外れない範囲で設定することが重要です。
売却期間を考慮した価格戦略
売却にかけられる期間によっても、価格設定を調整する必要があります。
急いで売りたい場合(3ヶ月以内)
相場価格またはやや下回る価格で設定します。市場での競争力を高め、早期の売却を目指します。
時間に余裕がある場合(6ヶ月以上)
相場価格またはやや上回る価格からスタートし、反応を見ながら段階的に価格を調整していく戦略が取れます。
どちらの場合も重要なのは、定期的な価格見直しです。売り出してから1~2ヶ月経っても問い合わせが少ない場合は、価格の再検討を行いましょう。
物件の特徴を活かした価格設定
あなたの物件が持つ独自の魅力や特徴も価格設定に反映させることができます。
プラス要因の例
・角部屋、最上階
・リフォーム・リノベーション済み
・人気学区内
・駅徒歩5分以内
・南向きバルコニー
マイナス要因の例
・旧耐震基準(1981年以前)
・修繕が必要な箇所がある
・1階住戸
・北向き
・線路・幹線道路沿い
これらの要因を総合的に判断して、相場価格から±10%程度の範囲で調整を行います。
物件の特徴を活かした価格設定について、専門家にご相談ください!
4. 価格設定で注意すべきポイント

適正な価格設定を行うために、以下の点にご注意ください。
住宅ローン残債との関係
売却価格を検討する際は、住宅ローンの残債額との関係も重要な要素です。売却価格がローン残債を下回る「オーバーローン」の状態では、売却時に現金での補填が必要になります。
事前にローン残債額を正確に把握し、売却可能な価格帯を把握しておきましょう。オーバーローンの場合は、金融機関との相談や任意売却などの選択肢も検討が必要です。
税金・諸費用を考慮した手残り計算
売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。以下の費用が差し引かれることを忘れずに:
主な諸費用
・仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税)
・印紙税
・登記費用
・譲渡所得税(利益が出た場合)
これらの費用を差し引いた「手残り額」で資金計画を立てることが重要です。
市場環境の変化への対応
不動産市場は常に変化しています。金利の動向、地域の開発計画、周辺環境の変化などが価格に影響を与える可能性があります。
売却活動中も市場動向をチェックし、必要に応じて価格戦略を見直す柔軟性を持ちましょう。
5. よくある質問と回答
Q: 査定価格と売り出し価格は同じにすべきですか?
A: 必ずしも同じである必要はありません。査定価格は「3ヶ月程度で売却できる想定価格」ですので、急いでいない場合は査定価格より5~10%程度高めに設定し、反応を見ながら調整することも可能です。
Q: 近所に同じような物件が売りに出ている場合はどうすれば良いですか?
A: 競合物件がある場合は、差別化が重要です。価格だけでなく、室内の清掃・整理整頓、設備の点検、リフォームの検討など、物件の魅力を高める努力も併せて行いましょう。どうしても価格での競争になる場合は、相場より若干下げて早期売却を目指すのも一つの戦略です。
個別の状況に応じた価格戦略について、お気軽にご相談ください!
6. まとめ
不動産の価格設定は、売却成功の鍵を握る重要な要素です。適正価格を設定するためには、以下のポイントを押さえておきましょう:
市場相場の正確な把握
複数の方法で相場を調査し、客観的なデータに基づいて判断することが大切です。
戦略的な価格設定
売却期間や物件の特徴、市場環境を考慮して、柔軟に価格戦略を立てましょう。
定期的な見直し
売り出し後も市場の反応を見ながら、必要に応じて価格を調整する姿勢が重要です。
専門家の活用
不動産のプロである不動産会社の意見を参考にし、一人で悩まずに相談することをおすすめします。
適正な価格設定により、あなたの大切な不動産を満足のいく条件で売却できることを願っています。価格設定でお悩みの際は、ぜひ専門家にご相談ください。
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