「不動産担保ローン」という種類のローンがあることをご存知でしょうか。不動産担保ローンとは、不動産を担保にして金融機関からお金を借りることです。
無担保型ローンと比べて、低金利で高額融資が可能。そのため「もう少し低い金利で借り換えをしたい」「ローンをひとまとめにしたい」と考えている人にはありがたい商品と言えるでしょう。
一方で、金融機関に返済ができなければ担保にしている不動産を差し押さえられて競売にかけられるので、大切な家や資産を失ってしまうリスクも。
今回は、不動産担保ローンのメリットや注意点、不動産担保ローンが向いている人の特徴などを細かく解説していきます。これから不動産担保ローンを借りるかどうか迷っている方は、是非最後までお読みくださいね。
1.不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは「金融機関が不動産を担保に入れることでお金を貸し出すローン」のこと。いわゆる無担保型ローンに比べると安い金利で借りられたり、高額な金額の融資を受けられたりする特徴があります。
◎不動産担保ローンの特徴◎
不動産担保ローンは、土地や建物といった不動産を担保にすることで金融機関からお金を借りることができるローンです。万が一返済が滞ったとしても、金融機関が不動産を差し押さえて競売に出すことでお金を回収することができます。
そのため、お金を貸す金融機関にとってもリスクが少ないというメリットがあるのです。無担保型ローンよりも低金利や高額な融資を受けられる理由はそのためなんですね。
◎不動産担保ローンにはこんな商品がある◎
不動産担保ローンにはどのような商品があるのでしょうか。ある銀行の商品を例に、ローンの種類や借入の条件などを見ていきましょう。
【不動産担保ローン】
・金利:変動金利の年率 約0.85%~8.35%
・融資額:100万円~1億円
・融資期間:1年~20年
・事務手数料:融資額の2.2%
・保証人:原則不要
【無担保ローン】
・金利:12.5%
・融資額:最大1,000万円
・融資期間:10年
・事務手数料:なし
・保証人:不要
この内容からわかるように、担保を設定するだけでかなり条件が優遇されます。金融機関もできるだけリスクをなくすために、良い条件をつけて不動産担保ローンという商品を推進しているのです。
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2.不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンを借りるメリットはいくつかあります。ここでは3つのメリットを細かく説明していきますね。
①返済期間が長い
無担保型ローンであれば、最大でも10年から15年くらいの借入期間になります。車のローンや教育ローンなどがその例です。
一方、不動産担保ローンは10年、20年、30年などから選ぶことができる商品が多く、金融機関によっては最長で35年のローン期間を提供しているところも。
金融機関は、リスクがある無担保型ローンは期間を短めにして早めに回収をしようと考えます。しかし、不動産担保ローンでは「不動産の担保」があるため、長めに設定することができるのです。
さらに、期間を長めに設定することで月々の返済額を低く抑えることも可能。月々の支払いが少なければ、無理のない返済計画が立てられそうですよね。
②金利が安い
不動産の担保があるため、無担保型ローンよりも低い金利で借りることができます。
不動産担保ローンだと 0.8%~8%、無担保型ローンの場合は4%~15%ほど。金利の差が倍以上違いますので、ぜひ覚えておきましょう。
③借入額が大きい
不動産担保ローンだと最大1億円程度、無担保型ローンの場合は最大1千万円程度と借入額にも大きな差があります。不動産担保ローンの場合、不動産の価値によって借りられる金額が変わります。
これだけの差があるので、大きい金額が必要な方には不動産担保ローンがおすすめです。
不動産担保ローンのメリットについて詳しい話が聞きたい!という方はこちら
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3.不動産担保ローンはいいことばかりではない
不動産担保ローンを借りることはいいことばかりではありません。注意しなくてはいけない点がいくつかありますので、細かく見ていきましょう。
ここでお伝えする3つのポイントを押さえておけば、不動産担保ローンを借りるときに失敗するリスクが少なくなります。
①手数料などの費用がかかる
無担保型のローンではほとんど手数料が発生しません。しかし、不動産担保ローンは融資の金額に応じて事務手数料が融資額の約2%程かかります。
金融機関によって金額はバラバラで、2%に決めているところや、1件あたり10万円程度と固定で決まっているところがあります。
事務手数料は金融機関の利益でもあるので、仕方がないところではあります。ですが、融資額が高ければ高いほど事務手数料も比例して高くなるので、少し痛い出費となってしまいますね。
②融資までの時間がかかる
不動産担保ローンは融資額が大きく金融機関が慎重に審査するので、融資までの時間が少し長くなります。担保にする不動産の価値を調べたり評価をしたりする時間が必要になるので、無担保型ローンに比べると少し待つことになるのです。
急いで融資を受ける必要がある人は注意してください。
③ローンが払えないと不動産を手放すはめに
最終的にローンが支払えなくなった場合、担保に入れている不動産を手放す必要があります。これが不動産担保ローンの最大のデメリットと言っても過言ではありません。
不動産担保ローンを組む場合、担保となる不動産に抵当権や根抵当権の設定が行われます。抵当権などの権利が設定されると、ローンを借りている人がお金の支払いができなくなったときには、金融機関が貸したお金を回収するために不動産を売却できます。
つまり、ローンが払えなくなると不動産を手放すはめになってしまうのです。売却した金額から優先的に返済に回さなければいけません。
不動産担保ローンのデメリットについてさらに知りたい方はこちら!
4.不動産担保ローンはどんな人に向いている?
ここまで不動産担保ローンを組むことのメリットや注意点をお伝えしてきました。この章では、それらのメリット・デメリットをふまえて「不動産担保ローンがどんな人に向いているのか」を解説します。
不動産担保ローンを検討している方は、自分が当てはまるかどうか確認してみましょう。
①良い条件で融資を受けたい人
不動産担保ローンの大きな特徴は、不動産を担保にして低金利で高額ローンを組めること。そのため、他の無担保型ローンよりも良い条件で融資を受けたい人に向いています。
例えば「教育ローンやマイカーローンではなく、不動産担保ローンを使うことで金利を抑える」など、ちょっとした工夫でお得に融資を受けることが可能になります。
②多くの金額の融資を受けたい人
不動産投資やマイホーム購入をする場合、高額な金額を借り入れる必要があります。
不動産を担保にすれば融資額を大きくすることが可能。不動産担保ローンを使うことで借り入れ限度額が大幅に上がります。
③ローンをひとまとめにしたい人
様々なローンを複数借りている人がローンをまとめるときにも、不動産担保ローンが向いています。不動産担保ローンは資金の使い道が自由なので、まとめて借りて複数の目的で使用することができるからです。
さらに、ローンが複数あると支払日もバラバラですが、ひとまとめにすることで支払いが一度で済むのでとても便利ですよね。
④老後のためにお金を借りたい人
30代や40代の世代では、老後に年金をもらえるかどうかという懸念を持っている方も多いでしょう。そんな方々が、自宅を担保に入れて老後の資金作りのために不動産担保ローンを使うこともおすすめです。
つまり、「老後の生活資金を借りる代わりに、自宅の売却処分を前提に担保に入れる」ということ。老後の収入が少ない人や老後の生活費に懸念がある人、「少しでも老後のための安心材料になれば」と考える人に向いています。
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5.まとめ
いかがでしたか。今回は不動産担保ローンの特徴やメリット、注意点、不動産担保ローンがおすすめな人について説明しました。デメリットもありますが、不動産担保ローンは低い金利で高額のお金を借り入れることができるとても魅力的な商品です。
とはいっても、ローンなどの借入に関してわからないこともたくさんありますよね。そんなときに気軽に相談できるのが不動産会社です。
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