相続や住み替えで「建築不可物件」や「未接道の土地」を手にしたけれど、「こんな土地、本当に売れるの?」と不安に感じていませんか?
建築不可物件は確かに売却が難しいとされていますが、適切な方法を知れば必ず売ることができます。
今回は、建築不可物件がなぜ売れにくいのか、そして効果的な売却方法について詳しく解説します。
1.建築不可物件の基礎知識
建築不可物件について正しく理解することが、売却成功への第一歩です。
なぜ建築不可になってしまうのか、どんな制約があるのかを詳しく見ていきましょう。
建築不可物件とは何か
建築不可物件とは、建築基準法の「接道義務」を満たしていない土地にある物件のことです。
新しく建物を建てたり、建て替えをしたりすることができない土地を指します。
接道義務では、都市計画区域内で建物を建てる場合、敷地は「幅員4m以上の道路」に「2m以上接道」していなければならないと定められています。
この規定は、火災時の消防活動や急病時の救急搬送など、緊急時の対応を可能にするために設けられています。
既に建物がある未接道物件については、すぐに罰則が科されるわけではありませんが、建て替えや大規模な増改築は一切認められません。
そのため、売却価格は近隣の一般的な物件相場と比べて約50~70%程度になってしまうのが現実です。
接道義務の詳しいルール
接道義務を理解するために、建築基準法で認められている「道路」の種類を知っておきましょう。
単に道のようなものがあっても、建築基準法上の「道路」でなければ接道義務を満たすことはできません。
建築基準法上の道路には5つの種類があります。
1号道路は県道や市道などの公道、2号道路は開発許可を受けて造られた道路、3号道路は昭和25年11月23日時点で既に存在していた道路、4号道路は都市計画で2年以内に新設予定の道路、5号道路は民間が申請し行政から位置指定を受けた道路です。
特に注意が必要なのは、見た目には道路のように見えても、建築基準法上の道路として認められていない場合があることです。
このような「建築基準法上の道路ではない道」に面している土地は、接道義務を満たしていないため建築不可となってしまいます。
よくある建築不可のパターン
建築不可物件になってしまう典型的なパターンをご紹介します。
最も多いのは「道路の幅が4m未満」のケースです。
古い住宅地では、昔からある細い道に面した土地が多く存在します。
次に多いのが「接道の間口が2m未満」のパターンです。
これは旗竿地(道路から細い通路で奥に広がる土地)でよく見られます。
間口部分が狭すぎると、建築基準法の要件を満たせません。
また、「建築基準法上の道路ではない道」に面している場合も建築不可となります。
農道や私道の一部、位置指定を受けていない通路などがこれにあたります。
建築不可物件でお困りの方は、まずはプロにご相談ください!
2.建築不可物件が売れにくい理由

建築不可物件の売却が困難な理由を正しく理解することで、適切な対策を立てることができます。
主な理由を詳しく解説します。
住宅ローンが組めない問題
建築不可物件の最大のデメリットは、買主が金融機関から住宅ローンの融資を受けにくいことです。
金融機関は融資の際に物件を担保として評価しますが、建築不可物件は将来的な活用方法が限定的なため、担保価値が低く評価されてしまいます。
その結果、金融機関からの融資が受けられないか、受けられても希望額より大幅に少ない金額になってしまうのが一般的です。
これにより、購入希望者は「現金で購入できる人」や「ノンバンクなどの金利の高い借り入れができる人」に限定されてしまいます。
住宅購入者の多くは住宅ローンを利用するため、この制約により購入希望者の母数が大幅に減少し、結果として売却価格の下落要因となってしまいます。
建て替えができないリスク
建築不可物件では、既存建物の建て替えや大規模な増改築が一切認められません。
購入後は現在ある建物をリフォームして使い続けるしか選択肢がないのです。
建築不可物件の多くは築年数が古く、経年劣化が進んでいることがほとんどです。
リフォームである程度の改善は可能ですが、根本的な構造上の問題や耐震性の向上には限界があります。
さらに深刻なのは、自然災害で建物が半壊・全壊した場合でも再建築が認められないことです。
将来的な資産価値の向上が見込めないことや、災害リスクへの対応が困難なことは、買主にとって大きな不安要素となります。
長期的な住まいとしての購入を検討している人ほど、このリスクを重く受け止める傾向があります。
緊急時の対応が困難
建築不可物件は接道義務を満たしていないため、緊急車両のアクセスが困難な立地にあることがほとんどです。
消防車が入れない、救急車が近づけないといった状況では、火災や急病などの緊急時に適切な対応ができない可能性があります。
また、日常生活においても不便さを感じる場面が多くあります。
引越し時に大型トラックが入れない、宅配便の配達に支障が出る、将来的に介護が必要になった時にサービスを受けにくいなど、様々な問題が想定されます。
特に高齢者世帯や小さなお子様がいる家庭では、これらの不安が購入を躊躇させる大きな要因となってしまいます。
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3.建築不可物件を売却する効果的な方法

建築不可物件であっても、適切な方法を選択すれば売却は十分に可能です。
物件の状況に応じた最適な売却方法をご紹介します。
セットバックで再建築可能にする方法
接道の幅員が4m未満であることが建築不可の理由である場合、「セットバック」により問題を解決できる可能性があります。
セットバックとは、道路の中心線から2m後退させて敷地境界を設定し直すことで、幅員4mの道路を確保する方法です。
セットバックを実施すると、後退した部分の土地は利用できなくなるため敷地面積は狭くなりますが、建築基準法の要件を満たすことで再建築可能な土地に変わります。
再建築可能になれば、一般的な不動産として市場で売却でき、価格も大幅に向上します。
ただし、セットバックには隣地所有者との合意や自治体への申請など、複雑な手続きが必要です。
また、後退により失う土地面積と価格上昇のバランスを慎重に検討する必要があります。
専門知識を持つ不動産会社や土地家屋調査士に相談しながら進めることをお勧めします。
隣地と合わせて売却する方法
建築不可物件を隣地と一体で売却することで、接道義務を満たす大きな敷地として売り出すことができます。
この方法は、隣地も同様に建築不可物件である場合や、隣地所有者が土地の拡張を希望している場合に特に有効です。
隣地所有者に直接売却する場合、仲介手数料を節約できるメリットもあります。
隣地所有者にとっては「土地を拡張して資産価値を向上させるチャンス」となるため、一般市場より良い条件で売却できる可能性もあります。
一方、隣地所有者が売却に応じない場合や、価格面で折り合いがつかない場合は、この方法を選択できません。
また、隣地との境界確定や権利関係の整理など、法的な手続きが必要になることもあります。
収益物件として活用する方法
建築不可物件を収益物件として活用し、投資用不動産を求める買主に売却する方法もあります。
リフォームにより既存建物の価値を向上させ、賃貸物件として運用することで安定した収益を生み出すことができます。
都市部の建築不可物件では、立地の良さから賃貸需要が見込める場合が多くあります。
特に単身者向けの小規模物件や、シェアハウスとしての活用などが注目されています。
適切な利回りを設定できれば、投資家からの関心を集めることができます。
ただし、この方法では事前のリフォーム費用が必要になります。
また、収益物件としての事業計画や利回り計算など、専門的な知識が求められます。
不動産投資に詳しい専門業者に相談しながら進めることが成功のポイントです。
建築不可専門業者による買取
建築不可物件を専門に取り扱う不動産会社に買取してもらう方法もあります。
これらの専門業者は建築不可物件の活用ノウハウを持っており、迅速な現金化が可能です。
買取価格は一般的な市場価格より低くなりますが、確実性が高く、面倒な手続きを業者が代行してくれるメリットがあります。
相続で急いで現金化したい場合や、複雑な手続きを避けたい場合には有効な選択肢です。
専門業者を選ぶ際は、過去の取引実績や買取価格の透明性、アフターサービスの充実度などを比較検討することが大切です。
複数の業者から査定を取得し、最も条件の良い業者を選択しましょう。
建築不可物件の最適な売却方法を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください!
4.よくある質問と専門家からのアドバイス
建築不可物件の売却に関してよく寄せられる質問と、その回答をご紹介します。
建築不可物件の相場はどのくらいですか?
建築不可物件の売却価格は、同じエリアの一般的な物件と比較して50~70%程度が相場となります。
ただし、立地条件や活用方法によって大きく変動するため、一概には言えません。
駅に近い好立地であれば相場より高く売却できる可能性がありますし、セットバックや隣地購入により再建築可能にできれば、一般的な物件と同様の価格で売却することも可能です。
正確な査定額を知るためには、建築不可物件の取引実績が豊富な不動産会社に相談することをお勧めします。
売却にかかる期間はどのくらいですか?
建築不可物件の売却期間は、一般的な物件より長くなる傾向があります。
再建築可能にする場合は手続きに3~6ヶ月程度、そのまま売却する場合でも買主を見つけるまでに6ヶ月~1年程度かかることが多いです。
ただし、適切な価格設定と売却戦略により、より短期間での売却も可能です。
急いで売却したい場合は、買取専門業者の利用も検討してみてください。
建築不可物件の売却でお困りの方は、プロの力を借りて最適な解決策を見つけましょう!
5.まとめ
建築不可物件の売却は確かに一般的な不動産より困難ですが、決して不可能ではありません。
重要なのは、物件の状況を正確に把握し、最適な売却方法を選択することです。
セットバックによる再建築可能化、隣地との一体売却、収益物件としての活用、専門業者による買取など、様々な選択肢があります。
どの方法が最適かは、物件の立地や状況、売主様のご希望によって異なります。
建築不可物件の売却には専門的な知識と豊富な経験が必要です。
お一人で悩まず、まずは実績のある不動産会社にご相談ください。
適切なアドバイスにより、思っている以上に良い条件で売却できる可能性があります。
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