空き家には、住んでいる・住んでいないにかかわらず所有しているだけで税金がかかります。なかでも「特定空き家」という法律で定められた条件に当てはまる場合、固定資産税が6倍になってしまうことも。
今回は、空き家にかかる税金の種類や「特定空き家」、空き家の最適な税金対策についてまとめました。空き家にかかわる税金について学び、正しい知識で対策を行いましょう。空き家を所有している人、空き家を所有する予定の人はぜひ参考にしてみてください。
1.空き家を所有しているだけでこんなに税金がかかる!
空き家には、主に「所有時」「売却時」「相続時」の3つのタイミングで税金がかかります。たとえば、「固定資産税」は物件を所有している場合に課税される税金として有名ですが、そのほかに「都市計画税」や「所得税」などがかかることもあります。
まずは、空き家で課税される税金の種類と、課税される場面について理解を深めましょう。
①所有には「固定資産税」&「都市計画税」
固定資産税は、土地・家屋・償却資産(事業用資産)に対して課される税金で、毎年1月1日時点の不動産所有者が納税義務者となります。
また、都市計画税とは、市街化開発や都市計画施設の整備を進める市町村の「都市計画区域内」に、土地や空き家を所有している場合に課される税金です。
つまり、空き家を所有している限りは原則として固定資産税が課税され、場合によっては都市計画税を加えた2種類の税金を支払う必要があります。
②売却には「所得税」&「住民税」
空き家を売却したときに得られる収入は、「譲渡所得」に該当します。この譲渡所得に対して課税されるのが、譲渡所得税と復興特別所得税、そして住民税です。
これらの税金は「譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)×税率」で算出できますが、税率は空き家を所有していた期間によって異なります。たとえば、5年以上所有していた空き家の場合の税率は20%、5年未満の場合は39%です。さらに、2037年までは「復興特別所得税」という基準所得税額の2.1%分の金額も併せて徴収されます。
空き家を売却するためにリフォームを行った場合は、リフォーム費用を「譲渡費用」に含めることが可能です。また、リフォームが「設備費」や「改良費」に該当する場合は「取得費」に含めることができますよ。
③相続には「相続税」
空き家を含む土地や家屋などの財産を亡くなった方から引き継いだ場合、それらの財産に対して課税されるのが相続税です。ただし、相続税は相続したすべての財産が対象となるわけではありません。
引き継いだ財産の金額から葬儀費用や借金などを差し引いたときに、その金額が「基礎控除額」を上回ると課税される仕組みです。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出されます。
なお、空き家は社会問題になっていることもあり、相続した空き家を売却した際には譲渡所得から最大3,000万円までを控除できる特例措置が適用される可能性があります。
ただし、「昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること」など限定的な要件もありますので、築年数がそこまで古くない空き家では適用対象外となるケースも多いでしょう。
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2.法改正後は特定空き家で固定資産税が6倍!?
空き家が増えると、物件の倒壊などによる生活環境の悪化や、景観を損なうといった地域への悪影響が生じかねません。また、所有者自身がうまく空き家を管理・活用できずに困ってしまうという問題もあります。
このような日本の空き家問題を解消すべく施行されたのが、「特定空き家」の制度です。所有している空き家が法律で定められた「特定空き家」に該当すると、固定資産税の特例措置が受けられず、税金が6倍になってしまいます。
①空家等対策特別措置法とは
「空家等対策特別措置法」は、2015年に施行された法律です。空き家の適切な管理や活用を促すことを目的としており、「特定空き家」の制度はこの法律に含まれています。
また、2023年6月14日には空家等対策特別措置法の一部が改正されることが決まりました。これまで固定資産税が6倍になるのは「特定空き家」に該当する空き家のみでしたが、法改正によって、「特定空き家」に加え「管理不全空き家」に該当する空き家も固定資産税6倍の対象となったのです。
②特定空き家とは
もともと固定資産税には、200㎡までの住宅用地は年税額が6分の1に、200㎡を超える住宅用地は年税額が3分の1になる特例措置が適用されることになっています。
しかし、環境を悪化させたり、生活を脅かしたりする恐れのある空き家とみなされて「特定空き家」に該当した場合は、固定資産税の特例措置は適用されません。
特定空き家は、以下の4項目に当てはまる空き家を対象としています。
・倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態
・著しく衛生上有害となる恐れのある状態
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 |
参照元:NPO法人空家・空地管理センター「特定空家とは」
また、法改正によって以下に当てはまる「管理不全空き家」も、固定資産税6倍の対象になるので注意しましょう。
・このまま放置することで、いずれ「特定空き家」に該当する恐れのある状態 |
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3.空き家の税金対策なら不動産売却がベスト
空き家はどうしても経年によって劣化していくものですから、なかには特定空き家の制度を知ってドキッとした方もいるのではないでしょうか。法改正後は「特定空き家の予備軍」も固定資産税6倍の対象となってしまったので、固定資産税の特例措置を受けられなくなる人は増えているはずです。
とはいえ、空き家の管理は手間がかかりますし、できれば税金の負担も減らしたいですよね。「どうにかしたい!」とお悩みの方におすすめなのが、不動産の売却です。
①最大3,000万円控除で大幅節税も!
冒頭でお伝えしたように、空き家を売却すると所得税(譲渡所得税)と住民税が課税されますが、マイホームを売ったときの特例によって最大3,000万円の控除を受けられる可能性があります。
この特例を受けるには細かな要件がいくつかあるので、確認が必要です。ここでは、要件のうちの一つをご紹介しましょう。
・自分が住んでいた家屋、もしくは家屋とともにその敷地や借地権を売ること。以前に住んでいた家屋や敷地の場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。 |
参照元:国税庁「No.3302マイホームを売ったときの特例」
②古い空き家は解体して「空き地」として早期売却
「空き家が古すぎて、リフォームするにも莫大なお金がかかってしまう……」 「すでに物件の一部の劣化が著しく進んでしまっている……」
このような場合には、空き家を解体して土地を売却したほうがよいケースもあります。
自治体によっては解体費用の補助を行っていることもあるので、解体したほうがよさそうだと判断できる場合は自治体の制度を確認してみてください。
ただし、空き家を解体することで「住宅用地」ではなくなってしまった場合、固定資産税が増えるケースがあるため、慎重な判断が必要です。
③リフォームで高額売却を目指せる可能性も
解体するほどの劣化がなく、修繕やリフォームなどで十分な再生が見込める場合は、適切にリフォームを行うことで高額売却・早期売却を目指せる可能性があります。
ハウスウェルでは本格的なCADソフトやCG画像、VR映像を使ったリアルなリフォーム完成予想のご提案が可能です。リフォームの予算がない場合でも、買主へ映像を提案することで購買意欲を高める効果が期待できます。
4.まとめ
空き家は所有しているだけでも多くの税金がかかります。さらには、「特定空き家」「管理不全空き家」に該当する物件は固定資産税の特例措置が適用されず、最大で6倍の税金を納めることにもなりかねません。
空き家を手放したいけれど、どうしたらよいのかわからないという方は、まずは信頼できるプロの不動産会社に相談しましょう。ハウスウェルでは各専門家をそろえ、ご提案からリフォーム、集客、売却までワンストップでサポートいたします。
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