母子家庭や父子家庭の親を対象に、資格取得や就職に向けた学習をサポートする給付金が用意されているのをご存じでしょうか?
今回は、ひとり親家庭のための支援制度である 「自立支援教育訓練給付金」と「高等職業訓練促進給付金等事業」をご紹介します。それぞれの特徴や対象者、支給額などを詳しく解説しますので、就職やキャリアアップをお考えのシングルマザー、シングルファーザーの方はぜひ参考にしてください。
1.自立支援教育訓練給付金とは
ひとり親家庭の親の能力開発を支援するのが、「自立支援教育訓練給付金」です。キャリアアップや就職のために特定の教育訓練を受講し、修了すると、受講費用の一部が支給されます。
ここでは、自立支援教育訓練給付金の対象者や対象講座、支給額、申請方法などを見ていきましょう。
①対象者
自立支援教育訓練給付金は、以下の条件をすべて満たす人を対象としています。
・ひとり親家庭の親で、20歳未満の子どもを扶養している
・所得が児童扶養手当の支給水準である
・適職に就くために教育訓練を受けることが必要と認められる
・過去に自立支援教育訓練給付金を受給したことがない |
②対象講座
自立支援教育訓練給付金の対象となるのは、雇用保険制度の「一般教育訓練」「特定一般教育訓練※」「専門実践教育訓練※」の指定講座です。加えて、各自治体が地域の実情に応じて指定している講座も対象となります。※専門資格の取得を目的とした講座のみ
対象外の講座を受けてキャリアアップや就職を達成した場合は、自立支援教育訓練給付金は受け取れないので注意してくださいね。
③支給額
自立支援教育訓練給付金の支給額は、雇用保険制度での教育訓練給付を受けられない方と、受けられる方とで異なります。
▼雇用保険制度での教育訓練給付を受けられない方
受講のために支払った費用の6割に相当する額
▼雇用保険制度での教育訓練給付を受けられる方
受講のために支払った費用の6割に相当する額から、雇用保険制度での支給額を差し引いた金額
また、上限額は以下のとおりです。
・一般教育訓練、特定一般教育訓練:20万円
・専門実践教育訓練:修学年数×40万円(最大160万円) |
なお、受講のために支払った費用の6割に相当する額が1万2,000円以下の場合は、給付の対象外です。
④申請方法
自立支援教育訓練給付金を利用するためには、講座を受ける前と後の両段階で手続きを行わなければなりません。
まず、受講にあたって自治体の窓口で講座指定の申請をしましょう。申請の際は、マイナンバーが確認できる書類や希望する講座のパンフレットなどが必要です。
そして、講座修了後30日以内に給付金支給申請を行います。申請の際は、マイナンバーが確認できる書類や対象講座指定通知書などを用意してください。その後、審査が行われたうえで、指定した口座に給付金が振り込まれます。
手続きの流れや場所、必要書類などは自治体によって異なるケースがあるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
⑤制度を活用するメリット
自立支援教育訓練給付金を利用するメリットは、キャリアアップや就職に役立つ講座を受けるための費用負担を軽減できることです。経済的なハードルが低くなれば、新たな一歩を踏み出しやすくなりますよね。
講座の指定や支給額の上限などはありますが、受講意欲がある方にとって魅力的な制度といえるでしょう。
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2.高等職業訓練促進給付金等事業とは
高等職業訓練促進給付金等事業は、ひとり親家庭の親が資格取得に向けて養成機関で勉強する際に、生活を支援してくれる制度です。修業期間中に受け取れる「訓練促進給付金」と、修了後に受け取れる「訓練修了支援給付金」があります。
ここでは、高等職業訓練促進給付金等事業の対象者や対象資格、支給額、支給方法などをご紹介します。
①対象者
高等職業訓練促進給付金等事業は、以下の条件をすべて満たす人が対象です。
・ひとり親家庭の親で、20歳未満の子どもを扶養している
・所得が児童扶養手当の支給水準である
・養成機関において、対象資格の取得が見込まれる1年以上のカリキュラムを修業する
・仕事や育児と修業の両立が難しい |
②対象資格
高等職業訓練促進給付金等事業の対象となるのは、就職に有利であり、養成機関で1年以上の修業が必要と都道府県などで指定されている資格に限られます。
主な対象資格は以下のとおりです。
・看護師
・准看護師
・介護福祉士
・保育士
・歯科衛生士
・理学療法士
・作業療法士
・美容師
・社会福祉士
・管理栄養士
・保健師
・助産師
・シスコシステムズ認定資格
・LPI認定資格など |
※自治体によって異なる場合があります。
③支給額
高等職業訓練促進給付金等事業の支給額は、以下のとおりです。
▼修業期間中に受け取る場合(訓練促進給付金)
・市町村民税非課税世帯:月額10万円
・市町村民税課税世帯:月額7万500円 |
なお、養成機関における課程修了までの最後の12ヶ月間は、以下の金額となります。
・市町村民税非課税世帯:月額14万円
・市町村民税課税世帯:月額11万500円 |
▼修業期間中に受け取る場合(訓練修了支援給付金)
・市町村民税非課税世帯:5万円
・市町村民税課税世帯:2万5,000円 |
④申請方法
訓練促進給付金を受けるには、養成機関での修業を開始する前に自治体へ相談と手続きをする必要があります。また、訓練修了支援給付金を受ける場合は、養成機関での課程修了後30日以内に手続きをしなければなりません。
自治体によって手続きの流れや必要書類は異なることがあるため、事前に確認してくださいね。
⑤制度を活用するメリット
高等職業訓練促進給付金等事業を利用するメリットは、資格取得のための学習による収入減を給付金で補填できることです。生活の不安が軽減されれば、学習に集中しやすくなるでしょう。
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3.自立支援教育訓練給付金と高等職業訓練促進給付金等事業の違い
自立支援教育訓練給付金と高等職業訓練促進給付金等事業(訓練促進給付金と訓練修了支援給付金)は、どちらもひとり親家庭の親を支援するための給付金制度。主な違いは、対象となる講座・資格や支給額、支給期間、目的などです。
|
自立支援教育訓練給付金 |
高等職業訓練促進給付金 |
高等職業訓練修了支援給付金 |
対象者 |
ひとり親家庭の親 |
ひとり親家庭の親 |
ひとり親家庭の親 |
対象講座・資格 |
・一般教育訓練給付金の指定講座
・特定一般教育訓練給付金の指定講座
・専門実践教育訓練給付金の指定講座
※一部対象外あり |
就職に有利で、養成機関で1年以上の修業が必要な資格 |
就職に有利で、養成機関で1年以上の修業が必要な資格 |
支給額 |
・支払った費用の6割相当(上限20万円)
・修学年数×40万円(最大160万円)
※講座や、雇用保険制度の受給状況によって異なる |
・市町村民税非課税世帯:月額10万円
・市町村民税課税世帯:月額7万500円
※状況により増額あり |
・市町村民税非課税世帯:5万円
・市町村民税課税世帯:2万5000円 |
支給期間 |
― |
修業期間の全期間(上限4年) |
修業期間終了後 |
併用 |
一部可 |
一部可 |
一部可 |
一部の講座については、自立支援教育訓練給付金と高等職業訓練促進給付金等事業を併用できる場合もあります。併用が可能な養成機関や講座の詳細については、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。
4.まとめ
ひとり親家庭のための「自立支援教育訓練給付金」や「高等職業訓練促進給付金等事業」を活用することで、生活の不安を軽減しながら能力開発や資格取得のための学習ができます。キャリアアップや就職をしたいとお考えの方は、ぜひこれらの支援制度を検討してみてください。
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