居住中物件の内覧では、売主の事前準備と当日の対応が重要です。売主の対応次第で内覧結果を左右することも。
不動産を売却する際には、居住している状態で売却活動を行う方が多くの割合を占めます。しかし、いざ購入検討者から内覧希望が入った際に、どういった準備をすればいいのかわからない、何に気をつければいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、居住中物件の内覧対応で売主がやるべき準備と注意点について解説します。
1. 内覧は買主にとって一番大事な場面
不動産の内覧は、買主にとって購入するか否かを判断する一番大事な場面です。
最近ではインターネットで物件の情報や室内の写真を確認できますが、実際に室内を見なければ詳細はわかりません。
不動産は高額な買い物であるため、インターネットの情報だけで購入するのは不安も大きいでしょう。
・リフォームの必要性
・眺望、日当たり
・天井の高さ
このような内容は、直接見て確認する必要があります。
実際に生活するイメージが湧かなければ、買主は購入しません。買主は内覧時に様々なことを考えながら検討しているのです。
2. 内覧前にやっておくべき準備4つ
居住中物件の内覧前に売主がやっておくべき準備は4つです。
①室内の清掃
②換気
③カーテンを全て開け、電気をつける
④不動産会社との打ち合わせ
それぞれ解説します。
①室内の清掃
内覧前には必ず室内の清掃をしましょう。
不動産購入は第一印象で決まると言っても過言ではありません。清掃をするのとしないのとでは、第一印象に大きな差が出てしまいます。
第一印象で室内が汚いイメージを持たれてしまうと、リフォームすることを口実に、価格交渉が入るおそれもあるでしょう。
・荷物の整理
・水まわりの清掃
・ベランダの清掃
特に水まわりは生活感が出やすい部分です。内覧の際には水滴を拭き取っておくことで水まわりの印象が良くなります。
ベランダに出て眺望を確認したい買主も多いため、外だからと油断せずにベランダも清掃することを忘れずに。
ただ、「内覧の度に片付けするのは面倒」と感じる方も多いでしょう。
しかし、売却を成功させるためには面倒なことをしなければなりません。
毎回大掃除をする必要はありませんが、少しでも買主への印象を良くするために準備しましょう。
②換気
内覧の直前には室内を換気しましょう。
換気することで室内がスッキリし、買主の第一印象も良くなります。
においというのは住んでいる人にはあまりわかりません。そのため、においの有無にかかわらず「内覧前の10分間は換気する」とルールを決めて換気するのがおすすめ。
特にペットを飼っている方は、必ず換気してください。
③カーテンを全て開け、電気をつける
内覧前にはカーテンを全て開け、電気をつけた状態で待機しましょう。
室内が暗いか明るいかで買主の印象も異なります。リビングだけでなく全ての部屋のカーテンを開け、電気をつけることで明るい印象を持ってもらえます。
少しの手間で良い印象を与えられるため、忘れずに準備しましょう。
④不動産会社との打ち合わせ
内覧前日までには不動産会社と打ち合わせをしましょう。
買主が来てから慌てて準備をしては、買主への印象も良くありません。
・何時に来るのか
・何名で来るのか
・準備しておくべきことはあるか
売主と不動産会社のどちらがスリッパを用意するのかなども、このタイミングで打ち合わせしておくのがおすすめです。
また、もしもクローゼットの中など見られたくない部分がある場合は、事前に伝えておきましょう。不動産会社が内覧前に買主に伝えてくれるため、スムーズに内覧が進みます。
3. 内覧中にやるべきこと3つ
居住中物件の内覧中に売主がやるべきことは3つです。
①明るく応対する
②質問に答える
③空室にするのもOK
それぞれ解説します。
①明るく応対する
買主が内覧に来た際には明るく応対しましょう。
暗い空気を出してしまうと、買主も緊張してしまい、内覧の雰囲気が悪くなってしまいます。
自由に内覧していいのかがわからず、一通り眺めたのちにすぐに退室してしまうなんてケースも。機会損失にもなりかねませんので、買主に対して明るく接するのがおすすめです。
しかしながら、初めて会う人に対してどのようなことを話せばいいかわからない方も多いでしょう。
話題に困る方は無理に会話をする必要はありません。「自由にご覧になってください」と明るく声をかけ、あとは不動産会社に任せましょう。
内覧しやすい雰囲気を作ることで不動産会社も案内しやすくなります。
②質問に答える
買主から質問を受けた際には、丁寧に答えましょう。
買主にとって居住中物件の内覧は、実際に住んでいる人に質問できる貴重な機会です。買主は住んでいる人にしかわからない情報を聞きたがっています。
・住んでいて感じる生活音
・時間帯毎の日当たり
・便利な点、不便な点
買主が実際の生活をイメージできるように答えてあげましょう。
マンションの管理状況など、把握していないことを聞かれた場合は、曖昧なことを伝えてはいけません。しっかりと確認したうえで、不動産会社を通して返事をしましょう。
③空室にするのもOK
初めて会う人とコミュニケーションを取るのが苦手という方も多いでしょう。
そのような方は、内覧時は不動産会社に任せて空室にするのもOKです。空室にすることで、買主も売主に気を遣わずに内覧できます。
空室にする際に、見られたくない部分や注意点がある場合は、事前に不動産会社に伝えておきましょう。
4. 内覧時にやってはいけない注意点3つ
居住中物件の内覧対応でやってはいけない注意点は3つです。
①買主に対して営業する
②ペットから目を離す
③嘘をつく
それぞれ解説します。
①買主に対して営業する
売主から買主に対して営業するのはNGです。
物件の良い点をアピールしたい気持ちはわかりますが、売主からの過度なアピールは、あまり印象が良くありません。
・眺望がいい
・買い物が便利
・お風呂が広い
売主から買主に対して営業する場合、物件のメリットばかりを伝えてしまうこともあるでしょう。メリットばかりを訴求されてしまうと買主は不信に感じてしまいます。
物件のアピールポイントがある場合は、不動産会社から買主にアピールしてもらいましょう。
そのためにも、不動産会社と念入りに販売戦略を立てる必要があります。
②ペットから目を離す
内覧時はペットから目を離してはいけません。
買主の中にはペットが苦手な人もいるでしょう。目を離した隙に買主に噛み付いたり、買主の荷物を汚してしまう危険性もあります。
内覧時は下記のような方法で、買主に迷惑がかからないようにしましょう。
・手で抱える
・ゲージに入れておく
・預けておく
ペットが自由に動き回れる状態では、買主も落ち着いて内覧できません。内覧時はペットから目を離さずにしっかりと管理しましょう。
③嘘をつく
居住中物件の内覧時は、買主から質問を受けることもあります。
質問を受けた際には絶対に嘘をついてはいけません。不動産は大きな金額の取引のため、契約後に嘘がバレ「知っていたら購入しなかった」となってはトラブルになってしまいます。
・売却理由
・近隣での事故事件
・近隣トラブル
こういった内容は、知っていたにもかかわらず伝えなかった場合「告知義務違反」となり、損害賠償を支払わなければならない場合があります。
特別な売却理由などで、買主に直接伝えるのは気が引ける場合は、不動産会社を通して伝えましょう。
5. まとめ
居住中物件の内覧対応で売主がやるべき準備と注意点について解説しました。居住中物件の内覧では、売主の事前準備と当日の対応が結果を左右することもあります。
売却を成功させたい想いは大切ですが、その想いが買主に対して過度に伝わってしまうと上手くいかないケースもあるでしょう。
不動産売却を成功させるためには、不動産会社と二人三脚で作戦を立てながら進めていく必要があります。不動産会社と共に、どのようにすれば物件の魅力を最大限伝えられるかを考えましょう。
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