離婚が頭によぎり「別居」を選択する夫婦も多いのではないのでしょうか。「この人とは一緒に暮らしたくない」「一人になって今後のことを考えたい」など、別居をする理由は人それぞれですよね。
離婚を前提とした別居はとても重要で、離婚をするにあたって有利に働くことがあります。そこで今回は、離婚前の別居についての考え方や準備すべきもの、別居をすることのメリット・デメリットを解説します。
離婚準備のための別居を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.離婚に際する「別居」についての考え方
本来、離婚をするときは
「お互いが同意」→「離婚届に署名捺印」→「財産や子どものことを話し合う」
という流れで話がまとまりますよね。
しかし、一方が離婚に反対している場合、裁判で離婚を成立させるかを決める必要があります。その際に「別居」が大きな判断材料になるのです!
①離婚が認められやすい
離婚をするためには「婚姻関係の破綻」が必要。婚姻関係を継続するのが難しい状況であれば、婚姻関係が破綻していることになるので離婚請求が可能になります。
厚生労働省が発表した統計では、1年未満の別居期間で離婚をしている夫婦が8割を超えているのが実態です。
もし相手が離婚に反対していても、別居期間が5年経つと離婚が認められやすくなります。また、別居前に激しく争っていた場合は3年ほどの別居でも離婚が認められる可能性も。
「別居」をしている事実が、裁判で婚姻関係が破綻していると認定される判断材料となるので覚えておきましょう。
参考資料:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon10/02.html
②別居=婚姻関係の破綻ではない
別居しているからといって婚姻関係が破綻しているわけではありません。中には別居していても仲が良い夫婦もいますよね。お互いの生活スタイルを尊重した上で別居しているケースもあるでしょう。
夫の仕事が忙しく、なかなか家に帰れないことを考えて仕事場に近い場所に住み、あえて別居することを自分たちの「婚姻スタイル」としている夫婦も。
とはいえ、通常は「単身赴任や特別な理由がない限り夫婦は同居しているもの」というのが一般的な考え方です。
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2.離婚前に別居するメリット
離婚の準備のために別居するメリットとはどんなものでしょうか。ここでは2つご紹介します。
①離婚の「理由」になる
離婚調停や離婚裁判になったときに「婚姻関係が破綻している」と判断するための重要な事実として、別居がメリットになります。離婚したい側にとっては、離婚の理由を作り出せる手段になると言えますね。
別居の期間が長ければ「夫婦の実態がない」「婚姻関係が破綻している」と裁判所に認められ、離婚が成立する可能性が高まります。
離婚をしたくても相手が拒絶している場合は、別居の手段をとるのがおすすめです。
②離婚の「意思」として相手に伝えやすい
実際に別居をすることで、相手に対して「離婚の意思がある」ということを伝えられます。相手が離婚を拒否していても、別居をすれば離婚が現実的になりますよね。
別居期間が経過すればするほど、相手が根負けして「やっぱり夫婦関係を続けるのは難しい」と考えるようになり、離婚へ向かうパターンが多いです。
離婚をしたい側は、別居をすることで離婚に向けて優位になれますよ。
3.離婚前に別居するデメリット
離婚前の別居は良いことばかりではありません。ここでは、離婚前に別居をするデメリットを2つご紹介します。
①復縁が困難になる
「お試し別居」という感覚で別居をする方にとっては、デメリットが大きいかもしれません。一度別居してしまうと、相手の気持ちが離れていく可能性が高まるからです。
「やっぱりやり直したい!」と相手に伝えても、時すでに遅し……ということも。お互いにやり直す可能性があるのであれば、別居は慎重に行うことをおすすめします。
②相手から離婚請求をされる恐れがある
初めの頃は頭を冷やすだけのつもりで別居したとしても、夫婦の関係は時間が経つにつれて冷めていってしまうもの。そうなると、相手が離婚請求をしてくることも十分にありえます。
自分が離婚したいと思って別居したのに、相手のほうから離婚を請求されてしまうということにもなりかねません。相手から「離婚になった原因を作ったのはお前だ!」と責任を押し付けられて悪者にされる恐れもあるので、気を付けましょう。
4.離婚前の別居で準備すべきこと
ここでは、離婚前の別居で準備すべきことを3つご紹介します。別居して離婚になったときに大切になってくることなので、しっかり押さえておきましょう。
①住む場所
別居するにあたって、「生活する場所」つまり住む場所を探す必要があります。子ども連れで別居する場合は、保育園や小学校の近くなどエリアを絞って住む場所を探しましょう。
時期によっては希望の物件がすぐに埋まってしまうかもしれませんので、早めに探しておくことをおすすめします。
別居で今まで住んでいる家に残る場合は、離婚となったときのために単身用の物件を探しておくと安心ですよ。今まで家族で住んでいた家に一人で住むには広すぎることが多いからです。
②子どもの教育環境の確保
子どもを連れて出て行く場合、子どもの教育環境を確保することも大切です。例えば、別居をすることで保育園への距離が遠くなったり小学校のエリアから離れたりするようなら、新しい保育園や小学校を探さなければいけません。
子どもが保育園児の場合は、地域によって待機児童問題も出てきます。事前に入園状況などを希望の保育園に確認しておきましょう。
③相手の収入や財産の確認
正式に離婚が決まれば、財産分与を行う流れになります。婚姻中に夫婦で築き上げてきた財産は、離婚時に分け合うことができます。
清算的財産分与……婚姻中に形成した財産の清算
扶養的財産分与……離婚で困窮する配偶者の扶養
慰謝料的財産分与……配偶者を傷つけた慰謝料
婚姻中に形成した財産は、専業主婦であっても財産分与の対象。離婚になったときにどれぐらいの財産が自分のものになるのか、ある程度把握しておくことが大切ですよ。
持ち家の場合は、家の査定を不動産会社にお願いしておきましょう。売却した際にどれぐらいで売れるのかを事前に把握しておけば、その後の生活のことも考えやすくなります。
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5.まとめ|別居に踏み出せない?専門家へ相談しよう!
今回は、離婚の前に別居をするメリットやデメリットなどを説明してきました。離婚にはいろいろな準備がとても大切です。
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