家を売却したら確定申告が必要?流れや注意点を解説|不動産売却コラム|さいたま市・埼玉県の不動産売却はハウスウェル
家を売却したら確定申告が必要?流れや注意点を解説
家を売却して利益が出たら、「確定申告」が必要です。購入したときの金額よりも売却したときの金額が高い場合、経費などを差し引いた利益分(手残り分)に「不動産譲渡所得税」が課税されます。
普段から確定申告になじみがない方は、「確定申告って何をするの?」と戸惑いますよね。しかし、分からないままにしておくと罰則が課されることもあるため、注意が必要です。
そこで今回は、「家を売却して利益が出たときに行う確定申告の方法&注意点」について解説します。これから家を売る方や、家を購入して確定申告をする必要がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
1.家の売却で確定申告が必要なワケ
家の売却でなぜ確定申告が必要なのでしょうか。
家を売却して「儲け」があったら、確定申告をしなければなりません。確定申告が必要なのにもかかわらず申告を行わなかった場合、国税庁からの調査が入る恐れがあります。
国税庁の調査はアンケート形式によるもので、強制的なものではなく「確認」ですが、万が一申告をしていない場合には次の2つの税金が課されます。
①無申告加算税
確定申告期間内に申告をしなかった場合に課される税金のこと。50万円までの部分には15%、50万円以上の部分には20%の無申告加算税が課されます。
金額 |
税率 |
50万円以下 |
15% |
50万円超 |
20% |
たとえば、600万円の譲渡所得税を納める義務があった場合、無申告加算税は以下の計算で求められます。
50万円×15%+(600万円-50万円)×20%=117.5万円
「600万円の譲渡所得税とは別に、117.5万円が加算されてしまう」ということです。とてももったいないですよね。
参照:国税庁 確定申告を忘れたとき
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
②延滞税
確定申告の期限を過ぎてしまった場合、過ぎてしまった日数に対して延滞税が課されます。延滞税の税率は、原則として2ヶ月以内は7.3%、2ヶ月以降は14.6%です。
期間 |
税率 |
2ヶ月以内 |
7.3% |
2ヶ月以降 |
14.6% |
延滞したことに気づいたら、なるべく早めに納税しましょう。
2.確定申告に必要な書類
家を売却して確定申告を行うにあたって、さまざまな書類を準備する必要があります。
①確定申告書(B様式)
まさに「家を売却して利益が出た」ことを申告をするための書類。個人で事業をしている方や、不動産を売却した方が使用します。税務署で手に入れることが可能です。
参照:確定申告書(B様式)画像
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/r01/02.pdf
②分離課税申告書
分離課税申告書は、不動産の売却にかかる税金など、給与とは別に(分離して)課税される場合に必要な書類です。この書類も税務署で取得することができます。
参照:分離課税申告書 画像
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/r01/03.pdf
③譲渡所得内訳書
「どんな不動産を売却したのか」を記載する書類。売却不動産の所在地や面積、金額などの情報を記載します。
不動産売買契約書や領収書の情報をもとに記載しましょう。不明な点があれば、仲介した不動産会社に確認するのがおすすめです。こちらの書類も税務署で取得できます。
参照:譲渡所得内訳書 画像
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/02/pdf/a029.pdf
④購入時や売却時の不動産売買契約書関係
売却した不動産の「購入時の金額」や、「売却時の金額」を証明するために必要な書類です。
「購入時期が30年以上前なのでどこにあるか分からない……」
「相続で取得した不動産だから、そもそも契約書なんてないよ……」
という方も多いでしょう。
でも万が一、購入したときの金額を証明するものがない場合は要注意。不動産の概算取得費として「売却金額の5%」で計算されるため、税金を多く取られてしまいます。
⑤領収書など
不動産購入時や売却時に不動産会社などに支払った仲介手数料、固定資産税清算書、登記費用などの領収書も必要です。経費として認められるため、節税できますよ。
⑥登記簿謄本
法務局で取得できる書類です。売却不動産の面積や所有者が記されています。
3.確定申告の流れ
ここでは、確定申告の流れを解説していきます。意外と簡単な作業なのでご安心くださいね。
①書類の準備
確定申告に必要な書類を準備しましょう。平日は仕事で忙しく準備ができないという方は、家族や不動産会社に相談するのがおすすめ。登記簿謄本は法務局で誰でも取得することが可能です。
②書類への記入
書類が準備できたら、いよいよ確定申告書の作成です。税務署で申告書をもらいその場で作成することもできますが、インターネットが自宅にあれば電子申請(e-Tax※)をすることも可能。
記入方法で分からない点があるときは、税務署や税理士に確認しましょう。
③税務署へ申請
書類を作成したら、必要書類とともに税務署へ申請します。手続きは以下の4つから選べますので、あなたに合った申請方法を利用してくださいね。
・直接税務署に持っていく
・郵送で申請書等を送る
・e-Taxで申請する
・税理士にお願いする
※e-Tax……インターネットを使って確定申告を行う方法。24時間いつでも場所を選ばず申請できます。
4.確定申告を行うときの注意点
確定申告を行うときには、次の2つのことに注意しましょう。
①所有期間によっては税率が「倍」に!?
売却する不動産の所有期間によって、かかる税率が全然違います。
所有期間 |
税率(およそ) |
5年以下(短期) |
所得税30% 住民税9% |
5年超 (長期) |
所得税15% 住民税5% |
②購入時価格>売却価格でも税金発生の恐れアリ
例えば、中古住宅を2,000万円で購入して、1,000万円で売却したとします。この場合、利益が出ていないので、不動産譲渡所得税はかかりませんよね。
しかし、購入したときの金額を証明できない場合、「みなし取得費」として売却価格の5%が取得費だとみなされます。
つまり、2,000万円で購入していたとしても、それを証明できなければ、50万円で購入し1,000万円で売却したものとみなされて高額な税金が発生してしまうのです。
【2,000万円で購入して8年後に1,000万円で売却した場合】(諸経費は除く)
購入金額証明書 |
取得費 |
売却費 |
不動産譲渡税 |
税額 |
あり |
2,000万円 |
1,000万円 |
非課税 |
0円 |
なし |
50万円 |
1,000万円 |
950万円に課税 |
190万円 |
この場合、「購入時価格>売却価格」であっても税金が発生してしまうので気をつけましょう。
5.まとめ
確定申告には細かい知識が必要です。基本的なルールや知識を押さえたうえで、専門家に相談してみましょう。
「確定申告が必要なんて知らなかった……」
「やり方が分からず誰に相談していいかも分からなかった……」
など、「あとの祭り」にならないように気をつけてくださいね。
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