家の売却で利益が出たら、「税金」を納めなくてはいけません。「1,000万円で買った家が4,000万円で売れて、儲けが3,000万円も出た!」と喜んでいても、3,000万円がそのまま懐に入るわけではないのです。
しかし、ある一定の条件をクリアすれば、3,000万円まで税金の控除が受けられる素晴らしい制度があります。今回は、家を売却したときにかかる税金を減らすための制度「3,000万円特別控除」について詳しく解説します。
この記事を読めば、不動産売却時の税金を大幅に減らせて、計画的な資産整理ができますよ。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
1.3,000万円特別控除ってなに?
3,000万円の特別控除とは、居住用の家を売却したときに利益が出た場合、3,000万円までの部分に税金がかからない制度のこと。3,000万円特別控除を使うことができれば大幅に税金を抑えられるため、ぜひ使いたい制度ですよね。
家を売却した翌年の2月16日から3月15日の間に、税務署で「確定申告」という手続きを行います。以下のような情報を申告することで、「利益に対して税金がいくらかかるのか」を算出することができます。
・売却した家をいくらで購入したのか
・売却した家はいくらで売却したのか
・売却にかかった諸費用はいくらか など
確定申告の方法は国税庁のホームページに載っていますし、税務署の相談コーナーでも丁寧に教えてもらえるので、ぜひ活用してみましょう。
2.3,000万円特別控除の計算方法
「3,000万円特別控除の計算はどうやるの?」という方のために、計算方法について詳しく解説します。3,000万円特別控除を利用する場合、課税される譲渡所得金額の計算式は次の通りです。
【売却金額-(購入したときの金額+諸費用)-3,000万円】
事例をもとに見ていきましょう。
例)7年前に1,000万円で購入した家を、200万円かけてリフォームして5,000万円で売却した場合
【5,000万円-(1,000万円+200万円)-3,000万円=800万円】
この800万円に税率約20%の譲渡所得税がかかるので、税額は約160万円となります。
【特別控除あり】 800万円×約20%=160万円
【特別控除なし】3,800万円×約20%=760万円
特別控除が使えない場合、かなりの税金を払う必要があります。3,000万円特別控除を使うことで大幅な税金の節約が可能です。ぜひ覚えておきましょうね。
参照:国税庁 長期譲渡所得の税額の計算
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3.3,000万円特別控除を受けるための条件
「利益が出たら3,000万円特別控除が使えるから安心!」と思っている方も、一定の条件をクリアしなければ特別控除の対象にはなりません。
3,000万円特別控除を受けるための条件はいくつかあります。それぞれ細かく規定されているので、一つ一つ見ていきましょう。
①ちゃんと住んでいる家であること
いわゆる「居住用財産」に適用される制度のため、実際に住んでいることが条件です。さらに、以下のような細かい決まりがあります。
・転居後3年目の12月31日までに売却すること
・土地の売却契約を、建物を解体して1年以内に締結していること
・本人が単身赴任などで住んでいなくても、配偶者が住んでいる家であること
これらのうち、いずれか1つでも該当していることが必要です。
②家を壊したあとに土地活用していないこと
建物を解体したあとに駐車場や貸地として賃貸で貸し出している場合には、3,000万円の特別控除を受けることができません。なぜなら「事業用の土地」とみなされてしまうからです。
建物を解体したら土地活用はせず、しっかりと管理しておくことをおすすめします。
③売却した年と前年、前々年に特例を受けていないこと
例えば、売却した年が2022年の場合、2022年と2021年、2020年に3,000万円の特別控除や譲渡で損失が出た場合の損益通算、損失の繰越控除の特例などを受けていないことが条件となります。
さらに、マイホームの買換え、交換の特例も同様です。
参照:国税庁 損益通算
④売買の当事者が家族ではないこと
売買をする相手が配偶者や子どもなど「家族」の場合、3,000万円の特別控除は適用できません。家を売却して利益を出してしまった場合は、譲渡税がかかります。
中には、税金の支払いを回避するために、あえて家族に売買して3,000万円の特別控除を使おうとする悪質な考えの方がいます。そのような利用を防止するために、家族間の不動産売買では3,000万円の特別控除が使えないのです。
⑤居住以外で使用していないこと
事務所や店舗、別荘などで利用している場合も、3,000円の特別控除は適用できません。また、この特例を利用することを目的とした入居(例えば「住民票を一瞬だけ移す」など)のような悪質な場合も認められないので、覚えておきましょう。
3,000万円特別控除の制度は、あくまでも「居住用の住宅」に適用されるものです。不正のないよう十分に気を付けてくださいね。
4.3,000万円特別控除を使えるケース
3,000万円特別控除はどんな場合に利用できるのでしょうか。ここでは、使えるケースを3つ紹介します。
ケース①空き家
空き家が増えている状況で「3,000万円特別控除が使えない……」となってしまうと、ますます空き家の売却を迷う方が増えてしまいますよね。
相続などで引き継いだ空き家を売却した場合も、3,000万円の特別控除を受けることができますのでご安心ください。「空き家にかかる譲渡所得の特別控除の特例」と呼び、居住用の家と同じように利用可能です。
もし相続などで空き家の売却を検討している方は、利用できる控除を使って売却するようにしましょうね。
ケース②住宅兼事務所
住宅の一部を事務所にしている個人事業主の方も多いでしょう。住宅兼事務所で使っている家も、3,000万円の特別控除を受けることができます。
ただし、対象となるのはあくまでも「居住用部分のみ」。そのため、売却した金額のうち、床面積で案分した金額から3,000万円を控除するかたちになります。
しかし、居住用部分の面積が全体の90%以上の場合は「すべてを居住用として控除」することが可能ですよ。
ケース③夫婦共有名義の家の売却
家の名義を夫婦共有名義にしている方も多くいます。じつはこの場合、夫婦それぞれが3,000万円の特別控除を受けられるのです。
つまり、最大で6,000万円までの控除が可能。例えば、家の売却で6,000万円の利益が出れば、税金は0円になる計算です。
単独名義の場合は3,000万円しか控除できません。家を買う際には売却時のことも考えて、単独名義にするか、共有名義にするかをしっかり話し合うことをおすすめします。
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5.まとめ
今回は、3,000万円特別控除について詳しく解説しました。
不動産売却は大きな金額が動くため、かかる税金も多額になります。特別控除をうまく利用すれば、税金を安く抑えることができ、今後の生活費や新たな家の購入資金にあてられるなど活用方法が広がりますよ。
3,000万円の特別控除を受けるには「確定申告」が必要です。確定申告のことは何もわからない……という方は、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。
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