シングルマザーなどを対象に、生活における経済事情などを考慮して国や自治体が支援する制度が助成金です。
助成金を利用する際は、受給の条件を満たしている必要があります。そこで問題となっているのが、条件の隙をうかがって行なわれる不正受給です。
不正受給に関する問題は、シングルマザーなどのひとり親を対象とした助成制度も例外ではありません。経済的に困窮していないにもかかわらず受給しているケースも。
今回は、シングルマザーと不正受給の関係性について詳しく解説していきます。今後、助成金を申請しようと検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.シングルマザーの助成金・手当の不正受給とは?
助成金の不正受給とは、文字どおり「助成金を受給できる条件を無視する」あるいは「条件を満たしていないにもかかわらず、国や自治体に偽りの申請をして助成金を受給する」行為です。
では、シングルマザーが助成金を不正受給することなくクリーンに受け取るには、どのような条件を満たすべきなのでしょうか。その条件を見てみましょう。
・ひとり親であること
・子どもがいること、または子どもの年齢(制度の種類によって乳児〜高校生と対象が異なる)
・経済的に困窮していること(所得制限を超えた場合は対象にならない)
・やむを得ない理由で働けないこと |
助成制度は種類や各自治体によって違いがありますが、シングルマザーを対象としたものは上記の条件であることがほとんどです。
なかには東京都でしか実施されていない制度もありますし、子どもを対象とした助成制度の場合、子どもの年齢だけでなく人数によっても受給額が変わります。
シングルマザーが助成金の申請をする際は、自分が現在どのような立場であり、どのような助成制度の対象であるかをお住まいの地域の自治体で確認することが大事です。
シングルマザーとしての今後の生活に不安がある方は、ハウスウェルへご相談ください!お問い合わせはこちら
2.不正受給と判断されるのはどんなとき?バレたときの処罰は?
助成制度において不正受給と判断される事例には、以下のようなものがあります。
・受給資格者が嘘の申請・届出をした場合
・(障がいに関する助成制度において)医療診断を拒否した場合
・受給資格者が正当な理由もなく書類提出・職員からの質問に応じなかった場合
・受給資格者が正当な理由もなく求職活動・自立のための活動をしなかった場合
・受給資格者が児童の養育を怠っている場合 など |
また、不正受給をするつもりがなく正しい申請をしていたとしても、変更の届出を忘れていたために不正受給扱いにされてしまうケースもあります。その例は以下のとおりです。
・所得の修正申告の届出
・住所や氏名、手当の振込先金融機関の変更
・公的年金の受給開始
・扶養義務者との同居や別居
・対象児童との別居 など |
生活環境や状況が変化したら、必ずお住まいの地域の自治体に連絡をしてくださいね。
①不正受給が発覚した場合の処罰
不正受給がバレたら処罰が課せられます。どのような処罰があるのか、例として児童扶養手当や生活保護を不正受給したケースを見てみましょう。
【児童扶養手当の不正受給が発覚した場合】
・受給額に相当する全額、または一部をその者から徴収(児童扶養手当法第23条)
・3年以下の懲役あるいは30万円以下の罰金(児童扶養手当法第35条) |
【生活保護の不正受給が発覚した場合】
・3年以下の懲役または100万円以下の罰金(生活保護法第85条) |
処罰は助成制度の種類によって内容が異なり、申請時の記入の間違いなど意図的な不正でない場合は受給金額の返還のみで済むこともあります。
不正受給が発覚した際の処罰自体は、一生かかっても償えないほどの内容ではないかもしれません。しかし、不正受給をしたことが公になれば社会的な信頼を失ってしまうでしょう。近所の人に白い目で見られたり、職場で居づらくなったりする恐れもあります。
ハウスウェルにはFP資格保持者も在籍しているため、各種助成金やお金のことに関してシングルマザーの立場を考慮した適切でわかりやすいアドバイスが可能です!お問い合わせはこちら
3.シングルマザーの恋愛=不正受給の対象?
シングルマザーが不正受給をした理由に「プライベートでの恋愛」が挙がることがあります。
シングルマザーは文字どおり独身なので、恋愛しても相手が既婚者でない場合は不倫・不貞行為には該当しません。どの助成制度にも「恋愛している者は受給対象外」という規約はありませんし、何も悪いことはしていないのにもかかわらず、なぜ恋愛が不正受給の原因となってしまうのでしょうか。
ここでは、シングルマザーの恋愛と不正受給の関係性についてご説明します。
①なぜ恋愛が不正受給の対象になるのか
プライベートを楽しめるシングルマザーの恋愛ですが、以下の2つの理由で不正受給の対象となってしまう可能性があります。
①同棲をしている
恋愛をしているシングルマザーであっても、結婚していなければひとり親に該当したままです。しかし、恋愛相手と同じ住居に住む「同棲」をしている場合、事実上の婚姻関係、つまり事実婚の状態になります。
ひとり親であることが受給条件の助成制度では、同棲=事実婚を受給対象外としている自治体が多いため、不正受給扱いとなってしまうのです。
②所得が制限額を超えている
離婚してシングルマザーになると、生活費の捻出と育児を一人で行なう必要があるため、結婚時に比べて生活が苦しくなってしまう方も多いでしょう。経済的に困窮して親子ともに路頭に迷うような事態を回避させるために、シングルマザーが利用できるさまざまな助成制度が設けられています。
シングルマザーを対象とした助成制度には所得制限があり、申請した人の所得によって助成金も変化します。収入が少ない人ほど助成金を多くもらえる仕組みです。
しかし、法律上は夫婦でない関係であっても、深い関係性を持つ恋人がいて、その恋人が公私ともにサポートしてくれているなら、経済的に困窮する心配はありませんよね。それは所得が安定しているのと変わりないため、助成制度の対象外になる可能性が高まるのです。
②周囲のタレコミで役所へ通報される
周囲の人が自治体に通報することによって、助成金の受給資格がなくなるケースもあります。
シングルマザーに恋人ができて頻繁に会い、お互いの住居へ行き来をしていると、周囲の住民たちから「〇〇さんの家に知らない男性が出入りしている」と噂をされることもあるでしょう。
そして、「新しい男ができてお金の心配がないくせに、未だに助成金をもらっている」などと自治体に告げ口をされて、不正受給なのかどうか問われてしまうかもしれません。
③恋愛の場合、すぐに受給打ち切りにはならない
シングルマザーに恋人ができた場合、「恋人がいる=不正受給」と決めつけてかかる人も見受けられますが、シングルマザーの恋愛が発覚してもすぐに助成金の受給が打ち切りになることはありません。
【不正受給でよくある例】
・定期年金のもらい過ぎ
・実家で同居している親の所得制限が超えた場合 など |
年金や親の所得などは具体的な金額を調べればわかりますが、恋愛に関しては、シングルマザーがどこまで恋人から経済的な支援を受けているのかが曖昧です。シングルマザーと恋人がお互いに自立した生活を送りながら交際をしているパターンもあるでしょう。
不正受給なのかどうかの判断が難しいため、すぐに受給ストップとはならないのです。
④恋人ができたら役所へ相談
恋人ができて「不正受給の疑いをかけられるのでは……」と不安になっている方は、役所の窓口で相談をしましょう。
もし同棲をする前提で付き合っている場合は、正直に申告することをおすすめします。どのようなタイミングで届出をすればよいのかアドバイスしてもらえるはずです。
4.確定申告の間違いの可能性もある
助成金受給の条件を満たしているのに、不正受給の通知が来てしまうケースもあります。
考えられるのは、確定申告の所得金額を間違えたことで、助成制度の所得制限を超えたと判断されてしまった可能性です。もし間違えていた場合は、再度正しい所得金額で確定申告をしたうえで改めて助成制度の申し込みをしなくてはいけません。
5.まとめ
不正受給をしてしまったら、処罰があるだけでなく社会的信用も失ってしまう恐れがあります。受給申請をする際は、条件をすべて満たしているかしっかりと確認しましょう。
また、新しい恋人との同棲生活が始まり、経済的に負担がかからなくなった場合には、正直に役所へ報告してください。不正受給とそうでない境界線を把握しておくことが大切です。
シングルマザーの助成金や今後の生活に関してお悩みの方は、ハウスウェルへご相談ください。ハウスウェルならファイナンシャルプランナー(FP)資格保持者も在籍しているため、今後のライフプランや助成金などの仕組みを丁寧にお伝えすることが可能です。
シングルマザーの立場を考慮した優しく丁寧なアドバイスができますので、お気軽にご連絡くださいね。
シングルマザーの不正受給についてのご相談はハウスウェルへ!ぜひご覧ください
【関連記事】
シングルマザーの支援、どんな種類がある?助成金や手当を解説!