離婚を決めた夫婦は、離婚を成立させて、お互いが独立するためのさまざまな問題を処理しなくてはいけません。その問題の一つが、住まいに関することです。
家などの不動産については財産分与が難しいため、夫婦間でじっくりと話し合いをしないと、のちのちトラブルの原因になってしまう恐れがあります。
そんなトラブルを避けて、家の問題を円滑にクリアできる方法があります。それは「リースバック」。家の売却などではないリースバックとは、一体どのような方法なのでしょうか?
今回は、離婚時にリースバックを利用するメリットや注意点などについて詳しく解説します。
1.住み続けられる!リースバックとは
リースバックとは、家を売却し、その後、家に賃貸物件として住み続ける方法です。ここでは、自宅のリースバックを行なう手順をご紹介します。
1.家を不動産会社などを経由して売却する
2.売却された資金を受け取る
3.賃貸物件となったかつての自宅に、家賃を支払って住む |
つまり、居住空間は変わらなくても、その住まいとの関わりが「家の所有者」から「賃貸契約者」へと変更するのが、リースバックの特徴です。
家との関係性が変わることによって、リースバックをした方にはさまざまなメリットが生まれます。
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2.離婚時におけるリースバックのメリット
離婚後にリースバックを実行して家に住み続けると、多数のメリットが生じます。そのメリットとは何か、次よりご説明しましょう。
①引っ越しの手間が省ける
リースバックを行なうメリットの一つは、引っ越しをしないでそのまま家に住み続けられることです。
離婚をすると生活が一変し、住まいなども変えることになるでしょう。そのなかでも手間がかかるのが、引っ越しです。新しい住居に移る場合、以下の項目をこなす必要があります。
・新しい住居探し(物件探し、下見)
・住居にかかる費用の用意(賃貸の場合は契約料、敷金・礼金など)
・引っ越しにかかる費用の用意および引っ越し作業 |
引っ越し先は自分の経済面を照らし合わせて考慮しないといけないので、しっかりと時間をかけて考えなくてはいけません。
実家に帰る場合は新しい住居を探す手間はないものの、引っ越しの手配は必要です。実家に持って帰る物・処分する物の分別、引っ越し業者への依頼、荷造りなど、多くの手間がかかります。
一方、リースバックで家に積み続ける場合は、これらの手間や費用は一切かかりません。
②生活環境が変わらない
離婚をしてそれまで慣れ親しんだ家から離れることになると、生活環境もガラッと変わってしまうでしょう。
愛用していた近所の行きつけのお店などがあっても、それらを捨てて新しい環境で生活を送らなくてはいけません。また、子どもがいる場合は転校をすることになり、仲の良い友だちと離れる子どもにも寂しい思いをさせてしまいます。
しかし、リースバックを行なえば、生活環境を変える必要は一切ありません。慣れ親しんだ環境を変えずに快適な生活を続けることが可能です。子どもも学校を変える必要がなく、仲の良い友だちとの関係を続けられるでしょう。
③管理・税金の支払いは不要
リースバックの実行後に変わる大きなポイントは、住まいとの関係性です。リースバック前は持ち家であり所有物件だった家が、他の管理人による賃貸契約となります。
その関係性の変化によってなくなるのが、家の管理です。家は経年劣化によりメンテナンス・修繕をする必要が生じ、そのための費用がかかります。しかし、リースバックを行なえば、家の管理の義務を背負うのは自分ではなく管理人になるので、メンテナンスや修繕を気にする必要はありません。
また、家などの不動産を所有していると固定資産税が発生しますが、リースバック後は賃貸契約になるので、その支払い義務から解放されます。
④売却→現金化が早い
リースバックを活用するメリットの一つに、売却の際の現金化が早いことも挙げられます。
リースバックではなく単に売却をする場合は、以下のような手順を踏まなくてはいけません。
1.家を売却に出す(各種手続き、必要書類の準備を行なう)
2.買い手が見つかるまで待つ
3.買い手が見つかったら契約の手続きを行なう |
ただの売却の場合、注意する点は2の手順です。必ず買い手が見つかる保証はなく、見つかったとしても数ヶ月待たなくてはいけません。
また、離婚後は新生活に何かとお金がかかりますが、家の売却金をあてにしている場合、いつまでに現金が入手できるといった保証はないので、今後の経済面に不安を抱えてしまうことになります。
しかし、リースバックなら不動産会社やファイナンス会社が買い手となってくれるため、依頼をすればすぐに現金化が可能。早期の現金化が実現すれば、その売却金をもとに安心して今後の生活を計画できるでしょう。
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3.離婚後にリースバックをする際の注意点
余計な手間がかからないリースバックは離婚時のおすすめの対処法といえますが、いくつかの注意点もあります。
これからお伝えする4つの注意点を把握したうえで、本当に自分に適しているかどうかよく考えて判断しましょう。
①名義人の同意が必要
リースバックは個人だけで実行できるものではありません。家などの不動産の所有権が変更するものなので、不動産の名義人が配偶者である場合は名義人の同意も得る必要があります。
離婚の話し合いでリースバックが決定したら、不動産会社やファイナンス会社などの仲介会社にリースバックを依頼します。その際、仲介会社が提示する売買契約書にサイン・捺印をする必要がありますが、契約書には家の名義人が記入をしなくてはいけないのです。
自分が名義人でない、あるいは共同名義人の場合、個人の独断でリースバック契約はできないため注意しましょう。
②家賃を確認
リースバックを行なう方が新たにやるべきことは、毎月の家賃の支払いです。家賃が高いと生活に負担がかかるので、離婚後の自身の経済面を考慮して、どれくらいの家賃であれば毎月支払っていけるか確認をすることが大事です。
③契約更新が可能か確認
一般的な賃貸物件であれば、2年ごとの契約更新があり、更新するか契約終了するかを自身で決められます。
しかし、リースバックの場合は、2年間契約で2年経過したら契約期間満了という「定期賃貸借契約」が珍しくありません。家に何年も住み続けたい方は、契約更新が可能かどうか確認をしましょう。
④事前に住宅ローン残高を確認
リースバックを行なう場合、問題となるのが住宅ローンの残高です。住宅ローンはリースバックにより売却して得たお金で相殺するか、相殺できない場合は他の方法で資金調達をして完済する必要があります。
ローンを完済しないと、その家はリースバックの対象になりません。リースバックを行なう場合は、ローン残高があとどれくらいの金額なのか、売却したお金で完済できるのかを事前に確認することが大事です。
4.まとめ
離婚後のリースバックは、住み慣れた居住空間や生活環境を手放す必要がなく、生活を変える手間もかからないお得な方法です。
リースバックには管理や税金の支払いがなくなるというメリットもありますが、名義人の許可を取ること、ローン完済が必須であることなど注意点もあります。クリアしなくてはいけない項目をしっかりと頭に入れて、円滑にリースバックを行ないましょう。
また、離婚後の住まいやリースバックに関して疑問がある方には、ハウスウェルへのご相談がおすすめです。ただの物件案内だけでなく離婚後の住居に関する問題なども熟知しているため、適切なアドバイス・サポートが可能です。
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