一般的に、不動産を売却する際は不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。
今回は、不動産会社と結ぶ「媒介契約」の概要や種類について解説します。それぞれの契約を結ぶメリット・デメリットもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.不動産会社と結ぶ「媒介契約」とは？
個人が所有する家や土地などの不動産を売却する際は、不動産仲介業者に仲介を依頼して買い主を探す方法が一般的です。
不動産会社に仲介を依頼する際に結ぶ契約を「媒介契約」といいます。媒介契約には、主に次の3つのタイプがあります。
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約 |
それぞれの契約にメリット・デメリットが存在するため、ご自分のケースに合わせた契約を結ぶことが大切です。
ここからは、媒介契約の種類とそれぞれの契約の特徴について解説します。
| |
一般媒介契約 |
専任媒介契約 |
専属専任媒介契約 |
| 他業者への同時依頼 |
複数社に依頼可能 |
一社のみ |
一社のみ |
| 自己発見取引 |
○ |
○ |
× |
| 販売状況の報告義務 |
なし |
2週間に1回 |
1週間に1度 |
| 契約期間 |
原則なし |
3ヵ月以内 |
3ヵ月以内 |
| レインズの登録義務 |
なし |
7日以内に登録 |
5日以内に登録 |
①一般媒介契約の特徴
一般媒介契約は、3つの媒介契約のなかで一番制限が少ない契約です。複数の不動産会社に依頼ができ、買い主を自分で探すことも可能。比較的自由に売却活動ができるのが特徴です。
メリット
一般媒介契約を結ぶメリットは次のとおりです。
・複数の不動産会社と契約できる
・自分でも買い手を見つけられる
・契約期間に制限がない |
専任媒介契約や専属専任媒介契約とは異なり、複数の不動産会社に登録できるため、より多くの人たちの目に触れる可能性が高まります。また、不動産会社と契約を結んだとしても、自分で買い手を見つけることが可能なのも大きなメリットです。
デメリット
一般媒介契約のデメリットは次のとおりです。
・買い手を見つけるまでに時間がかかる傾向にある
・指定流通機構（レインズ）への登録が必須ではない |
一般媒介契約では、他の2つの契約に比べると営業担当者が積極的に営業をかけない可能性があります。指定流通機構（レインズ）への登録も必須ではなく、不動産会社の任意であることから、人気のエリアや資産価値の高い物件でなければ売却が難航するリスクが高いでしょう。
②専任媒介契約の特徴
専任媒介契約とは、1社の不動産会社にのみ仲介を依頼する契約です。複数社への仲介依頼はできないものの、一般媒介契約と同様、自分で買い主を見つけられます。
メリット
専任媒介契約を結ぶメリットは次のとおりです。
・不動産会社の売却活動の活発化が期待できる
・2週間に1回以上の販売状況の報告義務が課せられている
・自分で購入希望者を見つけて契約できる
・内装サービスや買取保証サービスなどが受けられるケースも
・仲介手数料を安くしてくれるケースも |
専任媒介契約は1社としか契約を結ばないスタイルであることから、一般媒介契約よりも積極的に営業をかけてもらえる可能性が高まります。また、2週間に1度は販売状況が報告されるため、安心できるのもうれしいポイントです。
ほかにも、買取保証サービスや仲介手数料を安くしてくれるサービスなど、さまざまな特典を受けられるケースがあります。
デメリット
専任媒介契約のデメリットとして、1社としか契約を結ばないため、どうしても不動産会社頼みになってしまう点が挙げられます。どの程度営業活動に注力してくれるかは、営業担当者の裁量で決まってしまうのです。
他社との競争がないことで、営業活動が活発に行なわれないリスクがあると覚えておきましょう。
③専属専任媒介契約の特徴
専属専任媒介契約とは、基本的には専任媒介契約の内容と似ていますが、契約内容をより厳格化しているものだと考えてください。
メリット
専属専任媒介契約を結ぶメリットは次のとおりです。
・買い主を積極的に探してくれる
・1週間に1回以上は状況報告がされるため安心できる
・レインズへの登録猶予期間が最も短い |
不動産会社にとって大きな義務を負った契約であることから、全力で売買活動に専念してくれるというメリットがあります。また、レインズへの登録猶予期間が短いため、最短期間で買い主を見つけられる可能性が高いでしょう。
デメリット
専属専任媒介契約を結ぶデメリットは次のとおりです。
・依頼する不動産会社の営業力や対応方法に左右されがち
・個人で買い主を見つけた場合も、不動産会社を通して契約しなければならない |
専任媒介契約と同じように、不動産会社の営業力や対応方法によって結果が大きく左右されがちなのが、注意すべきポイントです。
また、専属専任媒介契約では個人で買い主を見つける行為が禁止されています。万が一自分で買い主を見つけた場合は、不動産会社を通して売買契約を結ぶ必要がある点にも気を付けてください。
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2.【結論】基本的には「専任媒介契約」がおすすめ
3つの媒介契約にはそれぞれ異なる特徴があると解説しました。そのなかでも特におすすめなのが、「専任媒介契約」です。1社に限定して契約を締結するほうが、不動産会社も積極的に営業活動をしてくれるでしょう。
「売却は不動産会社に依頼して負担を減らしたいものの、自分で買い主を見つける選択肢も残したい」という方にぴったりの媒介契約です。
3.媒介契約を結ぶ際に注意すべきポイント
媒介契約を結ぶ際に注意すべきポイントは、次のとおりです。
・媒介契約の解約条件を確認する
・物件が売却できなかった場合の対策方法を考える
・一括査定を賢く活用する |
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
①媒介契約の解約条件を確認する
契約を結んだものの、売買活動がうまく進まない場合は、なるべく早い段階で解約することも検討しなければなりません。一般媒介契約であればいつでも解約できますが、それ以外の方法の場合は契約期間が設定されているため注意が必要です。
契約期間中に解約した場合は、違約金が発生するケースも考えられます。契約する際には契約内容をよく確認しましょう。
②物件が売却できなかった場合の対策を考える
媒介契約を結ぶ段階で、物件の売却がうまくいかなかった場合の対策についても考えておくことが大切です。
契約を結んでから3ヵ月以内を目安に売却できるよう、スケジュールを組んでいきましょう。専任媒介契約が思うように進まない場合は、いったん解約をして他の不動産会社とあらためて契約を結んだり、一般媒介契約に切り替えたりしてみることをおすすめします。
③一括査定を賢く活用する
専任媒介契約を結ぶ場合でも、契約前に多くの不動産会社とやり取りをすることが大切です。多くの不動産会社に査定依頼をして、信頼できる対応をしてくれた業者を選んでください。
一括査定サービスを活用すれば、まとめて複数の不動産会社にアプローチすることが可能なので、効率良く査定依頼ができるはずです。賢く活用していきましょう。
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4.まとめ
業者を介して不動産売買をする際は、必ず媒介契約を結ばなければなりません。媒介契約には3つのタイプがありますが、効率良く売却活動を進めたい方には「専任媒介契約」がおすすめです。
信頼できる不動産会社を見つけるためにも、複数の不動産会社に査定依頼をし、対応方法やサービス内容が自身にマッチしているかを確認しましょう。
不動産売却を検討している方は、ぜひハウスウェルにご相談ください。不動産を売却する際のポイントはもちろん、現在のお住まいの価値を見つけて、適切な価格で売却できるよう手厚くサポートいたします。
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