親や配偶者から財産を相続するとき、気になるのが相続税ですよね。相続税の存在は知っていても、「どのようなケースで相続税がかかるのか」「どのくらいの費用がかかるのか」など、具体的な内容を知らない方は多いでしょう。
こちらの記事では、相続税とは何かを分かりやすく解説します。相続税が発生するケースや具合的な計算方法もご紹介しますので、これから財産を相続する予定の方はぜひ参考にしてください。
1.相続税とは?
亡くなった人の残した財産(遺産)を引き継ぐことを「相続」といい、相続する人が支払う税金を「相続税」といいます。相続税は、受け取る財産が高額な場合にかかり、納税額が財産の金額によって変わるのが大きな特徴です。
2.相続税の対象となる資産
相続した全ての財産が相続税の対象となるわけではありません。非課税となるものを除いた相続財産の総額から、借金やローンなどの債務、葬儀費用などを差し引いた額が相続税の対象となります。
相続税がかかる財産とかからない財産、相続財産から控除できるものは、次のとおりです。
相続税がかかる財産の例 |
・預貯金
・株式
・土地や借地権
・建物
・書画骨董
・生命保険金
・退職金
・生前贈与財産
・相続時精算課税制度による贈与財産など |
相続税がかからない財産の例 |
・墓地や墓石など、祖先を祀るために必要な財産
・生命保険金の非課税枠
・退職金のうち一定金額 |
相続財産から控除できるもの |
・故人の借金やローンなどの債務
・葬儀費用 |
生命保険金や退職金は、厳密にいうと故人の財産ではありませんが、相続税の計算においては「みなし相続財産」として扱われる点に注意しましょう。
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3.財産がいくらだと相続税申告が必要?
相続したからといって、必ずしも相続税を支払わなければならないわけではありません。では、どのような場合に相続税の申告が必要になるのでしょうか?
①相続税申告とは
相続税申告とは、相続税が発生する際に税務署に対して行う申告のことです。相続税が発生するかどうかは、相続する財産の総額によって決まります。
相続税申告書の提出や納付期限は、故人が亡くなった日の翌日から10カ月以内と定められています。
②基礎控除額と法定相続人
相続税は、課税対象の財産から基礎控除額を引いた金額に対して課税されます。つまり、課税対象の財産の総額が基礎控除額を下回る場合は、相続税申告をする必要はありません。
基礎控除額は、故人の財産を相続できる人(法定相続人)の数によって変動します。法定相続人に該当するのは、故人の配偶者や子ども、親、兄弟姉妹など血縁関係にある人たちです。また、故人に養子がいる場合は、養子も法定相続人に含まれます。
基礎控除額の求め方は次のとおりです。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数) |
③相続税の申告義務があるかを確認しよう
相続税の申告義務があるかどうか確認したい方は、次の計算式を試してみましょう。
課税遺産総額=相続税の対象となる財産(課税財産)-基礎控除額 |
上記の計算で課税遺産総額がプラスになった場合は、相続税の申告義務があります。金額が0円、もしくはマイナスになった場合は、申告する必要はありません。
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4.相続税の計算方法
相続税の申告が必要な場合は、実際の相続税額を計算していきましょう。
①遺産総額を集計する
相続税は、「相続した時点で故人が保有していた財産」に対して課される税金です。土地や株式などは、相続時の時価で計算しましょう。なお、保有していた財産には、借金やローンなどの負債も含まれます。
遺産総額は、下記のように、相続税の対象となる財産から対象外の財産を差し引いて求めます。
遺産総額=プラスの財産(相続財産、みなし相続財産、生前贈与財産など)-マイナスの財産(債務や葬式費用) |
②基礎控除額を差し引く
遺産総額を集計できたら、課税遺産総額を計算しましょう。
課税遺産総額は、下記のように遺産総額から基礎控除額を差し引いて求めます。
課税遺産総額=遺産総額-基礎控除額(3,000万円+法定相続人の人数×600万円) |
③課税遺産総額を相続する人たちで割り振る
求めた課税遺産総額を、法定相続分で割り振ります。法定相続分とは、それぞれの相続人が遺産を相続する割合のことです。
法定相続分は、民法で下記のように定められています。
・相続人が配偶者のみの場合:配偶者が全て相続
・相続人が配偶者と子どもの場合:配偶者 1/2・子ども1/2
・相続人が配偶者と父母の場合:配偶者 2/3・父母 1/3
・相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合:配偶者 3/4・兄弟姉妹 1/4 |
相続割合について、具体例を挙げて解説しましょう。
・基礎控除後の遺産総額:6,000万円
・法定相続人:妻、子ども2人(長男・次男) |
この場合の法定相続分は「妻1/2、子ども全員で1/2」となるため、遺産総額は次のように割り当てられます。
・妻:3,000万円
・子ども:1人につき1,500万円 |
なお、上記の相続割合は民法に定められているものですが、強制力はありません。 実際は、故人の遺言や全ての法定相続人による話し合いによって、相続割合を変更することも可能です。
④各自の納付税額を計算する
課税遺産総額を実際に相続する人たちに割り振ったら、それぞれの相続人にかかる税額を計算します。
相続する金額によって、税率と控除額は次のように変動します。
相続する金額 |
税率 |
控除額 |
1,000万円以下 |
10% |
- |
1,000万円超~3,000万円以下 |
15% |
50万円 |
3,000万円超~5,000万円以下 |
20% |
200万円 |
5,000万円超~1億円以下 |
30% |
700万円 |
1億円超~2億円以下 |
40% |
1,700万円 |
2億円超~3億円以下 |
45% |
2,700万円 |
3億円超~6億円以下 |
50% |
4,200万円 |
6億円超 |
55% |
7,200万円 |
参考: No.4155 相続税の税率|国税庁
課税遺産総額6,000万円を「妻3,000万円・子ども(2人)それぞれ1,500万円」に分けたケースで、実際に計算してみましょう。
相続税率をかけて控除額を差し引けば、各相続人の税額が算出できます。
・妻:3,000万円×15%−50万円=400万円
・子ども:1,500万円×15%−50万円=175万円 |
計算の結果、6,000万円にかかる相続税額は、相続人3人分で計575万円になると分かりました。
5.まとめ
相続税の計算方法と手順が理解できていれば、ある程度の金額の目安を把握できます。相続が発生し、どのくらい税金がかかるか知りたい方は、記事のなかで紹介している方法を参考にしながら一度計算してみてください。
しかし、実際の相続税の計算はとても複雑です。正確な税額を算出するためには専門的な知識が必要なので、具体的な内容を知りたい方は税理士などの専門家に相談してみましょう。
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