「空き家を解体したいけれど、高額な費用がかかるのでためらっている」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、空き家の解体工事に活用できる補助金制度をご紹介します。補助金の受給条件や申請時の注意点についても詳しく解説するので、解体費用の負担を軽減したい方はぜひ参考にしてください。
1.空き家の解体に関する補助金3選
今回は、空き家を解体する際に利用できる3つの補助金をご紹介しましょう。なお、補助金の具体的な名称や支給額などの詳細は、自治体によって異なります。
①老朽危険家屋解体撤去補助金
老朽危険家屋解体撤去補助金は、老朽化によって倒壊する恐れがある家屋の解体に利用できる補助金制度です。補助金を受け取るためには、自治体による認定や耐震診断を受けなければなりません。
支給額は解体費用の2~5割が一般的ですが、自治体によって異なります。
②都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金
都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金は、街の景観を守ることを目的に、長年手つかずのまま放置されていた住宅の解体費用を補助する制度です。
この補助金を受け取るためには、空き家の解体工事後に、景観形成基準を満たすような土地利用をする必要があります。支給額は、解体費用の2~5割が一般的です。
③建替建設費補助金
建替建設費補助金は、耐震性に問題のある老朽化した住居を建て替えたり、補強したりする場合の解体工事に対して支給される補助金制度です。
補助金を受け取るためには、建て替え前と建て替え後の建物の要件をそれぞれ満たさなければなりません。各自治体のホームページを確認してください。
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2.空き家を解体するための補助金を受けられる条件
空き家の解体費用に対する補助金を受け取るためには、自治体ごとの受給条件を満たす必要があります。ここでは、具体的な条件の例をご紹介しましょう。
①個人所有の空き家であること
補助金を受給する要件として、個人所有の空き家であることが挙げられます。特に、居住することが困難で周辺住民に悪影響や危険を及ぼすリスクがある「特定空き家」に認定された場合は、受給対象となるケースが多いでしょう。
②旧耐震建物であること
補助金の受給条件として、対象となる空き家の築年数を設定している自治体が多くあります。特に、1981年より前に建築された旧耐震基準の建物は耐震性が乏しく、地震によって倒壊するリスクが高いことから、解体費用の補助対象になりやすいと覚えておきましょう。
③基準を超える老朽や破損があること
解体を予定している建物の老朽や破損の状態が一定の基準を超える場合は、補助金を受け取れます。ただし、その判定基準は自治体によって異なり、それぞれの自治体で定められた「住宅の不良度判定」に応じて決まるという点に注意してください。
構造部分をはじめ、防火性能やインフラ、衛生面など複数の項目で問題があると判断された場合に、不良住宅として補助金の受給対象となります。
④税金の滞納がないこと
税金を正しく納めていることも、解体工事の補助金を受給する条件の一つです。自治体が支給する補助金は国民から徴収した税金や国の借金でまかなわれているため、税金を滞納している人は受給対象から外れてしまいます。
⑤所得制限に該当していないこと
自治体が補助金を支給する条件として、個人の所得制限を設けているケースもあります。高所得の人は、補助金を利用しなくても自己資金で工事を行えると判断されるためです。
前年度の所得が1,000万円以下の人を対象としている自治体が多い傾向にあります。また、所得だけでなく、貯蓄や資産なども判断材料とする自治体もあると理解しておきましょう。
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3.補助金を受けるための注意点
ここからは、空き家を解体するための補助金を利用する際に注意すべきポイントを5つご紹介します。
①申請は工事着工前に行う
空き家を解体するための補助金申請は、原則として解体工事の前に行わなければなりません。「老朽化による倒壊の恐れあり」と判断されなければ、給付の手続きができないためです。
補助金申請の前に着工してしまうと、元の建物の状態を判断できなくなり、自動的に補助金制度の対象から外れてしまうので注意しましょう。
②補助金が出る基準は自治体によって異なる
補助金制度のルールは、自治体によって異なります。全国各地の自治体でそれぞれ受給の条件や規定が設定されているため、お住まいのエリアの制度を事前に調べる必要があります。
また、予算を超える補助金申請があると、年度途中に募集が締め切られてしまうケースも少なくありません。スケジュールに余裕を持って手続きするよう心がけましょう。
③審査には1カ月程度かかる
解体工事の補助金を申請したあとの審査には、ある程度時間がかかるものです。基本的には数週間程度ですが、申し込みが集中しているタイミングだと1カ月以上かかる場合もあります。
認可が下りないと解体工事に取りかかれないため、早めに申請するようにしましょう。
④補助金を受け取れるのは工事終了後
審査を通過しても、すぐに補助金が支給されるわけではありません。補助金を受け取れるのは工事完了後なので、最初は解体費用を全額自己負担しなければならないと覚えておきましょう。
⑤申請手続きは自分で行う
補助金の申請手続きは、原則として申請者自身で行います。もしも業者に手続きを代行してもらう場合は、その分の手数料を支払う必要があります。
自治体ごとに提出すべき書類の種類は異なるものの、手続き自体はそこまで複雑ではありません。受給した補助金を解体工事に全て充てたい方は、自分で申請手続きを進めましょう。
4.まとめ
空き家を解体する際に利用できる補助金について詳しく解説しました。補助金を活用することで、経済的負担を大きく軽減できるでしょう。
ただし、自治体によって補助金制度の支給額や申請期間などは異なります。また、必ずしも補助金を受け取れるわけではありません。年度によって審査条件が変わったり、申請が締め切られてしまったりするケースも考えられます。
補助金制度の利用を検討している方は、お住まいの自治体に問い合わせて、受給要件や手続き方法を確認しておくとよいでしょう。
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