借地権とは、建物を建てるために土地を借りる権利です。借地にある建物は、借地権付き建物として売却できます。そこで気になるのが、借地権の売却価格でしょう。
本記事では、借地権付き建物の売却相場や、目安となる売却価格の計算方法を詳しくご紹介します。売り値を下げないために気を付けたいポイントもまとめて解説するため、ぜひ参考にしてください。
1.借地権の売却相場が分からないときの計算方法
借地権とは、人から土地を借りて建物を建てる権利のことです。自分で土地を所有する「所有権」とは区別されますが、借地権も所有権と同じように売却できます。
ただし、借地権を売却するためには、地主の許可が必要です。また、売却価格も地主の考えによって大きく変わります。そのため、借地権にははっきりとした相場価格というものがありません。
しかし、売却価格の目安を求めることは可能です。目安を計算するためには、まず「自用地評価額」と「借地権割合」の割合を知る必要があります。
この「自用地評価額」「借地権割合」とは何なのでしょうか?ここでは、それぞれの概要と、どのように計算すれば借地権の売却価格の目安が分かるのかを詳しくご説明します。
①自用地評価額とは
自用地評価額とは、「建物がない更地の状態で、所有権のある土地がいくらなのか」を表す数字です。その土地に路線価が定められているか否かによって、計算方法がなります。
自用地評価額の求め方は、下記のとおりです。
路線価地域 |
路線価×土地の面積 |
路線価の定められていない地域 |
固定資産税評価額×倍率 |
※路線価=道路に面している土地の1平方メートルあたりの評価額
※倍率=路線価の代わりに国税庁が地域ごとに定めた、土地を評価するための倍率
具体的な路線価や固定資産税評価額、倍率は、国税庁のホームページをご参照ください。
参照:令和5年分財産評価基準を見る|国税庁
②借地権割合とは
借地権割合とは、「土地に占める借地権の割合」を表す数字です。借地権割合は土地によって30~90%と幅広く設定されており、都心部になればなるほど値が高くなります。
借地権割合も、国税庁のホームページで確認することが可能です。
参照:令和5年分財産評価基準を見る|国税庁
③借地権評価額を求める方法
自用地評価額と借地権割合から借地権評価額を算出することで、売却価格の目安を把握できます。
計算方法は次のとおりです。
例えば、自用地評価額が2,000万円、借地権割合が60%の場合、借地権評価額は下記のように求められます。
しかし、上記の式で計算した借地権評価額は、あくまでも参考程度の価格です。実際の売出価格は、地主に交渉し許可を得た上で設定することになるため、それぞれのケースによって大きく変わると覚えておきましょう。
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2.借地権の売却では地主との関係性が大切
借地権の売却は、土地の所有者である地主がいてはじめて成立します。そのため、地主との関係性がとても大切といえるでしょう。
ここからは、借地権の売却において地主との関係性が重要な2つの理由をお伝えします。
①売却には地主の承諾が必要だから
借地権には、大きく分けて「地上権」と「賃借権」の2つがあります。
地上権 |
建物を所有するために土地を「使用する」権利 |
賃借権 |
建物を所有するために土地を「借りる」権利 |
地上権は地代を支払う代わりに土地を直接使用できる権利なので、地主の許可を得ることなく売却できます。しかし、借地権は賃借権であるケースが大半で、賃借権は地主の許可なしに売却することはできません。
また、借地権を売却する際は、地主に譲渡承諾料を支払う必要があります。譲渡承諾料の相場は、借地権の売却価格の10%程度です。
借地権の多くは、地主の許可がなければ自由に売却できないと覚えておきましょう。
②借地権と底地の共同売却が理想だから
底地とは、借地権が設定されている土地のことです。実は、借地権と底地をまとめて売却するほうが、バラバラに売却するよりも買い手が見つかりやすく、高値で売却できるのです。
借地権と底地をまとめて売却する方法は、次の2つです。
・地主から底地を買い取る
・借地権を地主に売却する |
地主から底地を買い取れば、土地の完全な所有権を得られるため、建て替えや売却を自由に行えるようになります。
また、地主に借地権を買い取ってもらう方法もあります。地主も自由に土地活用や売却を検討でき、大きなメリットとなるでしょう。
どちらのケースにおいても、地主の協力が必要です。
借地権は数十年にわたる長期間の契約となる場合が多く、地主が代替わりしている可能性もあります。契約当初の地主が底地の売却に反対していたとしても、交渉次第で底地の買い取りがスムーズに進む可能性もあるでしょう。
地主に底地の購入や借地権の売却を打診する際は、丁寧に交渉するよう心がけてくださいね。
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3.借地権の売却価格を下げないためのポイント
ここからは、借地権の売却価格を下げないためのポイントをご紹介します。
①借地権の更新時期を避ける
一般的に、借地権の更新時には更新料の支払いが求められます。
借地権の更新が迫ったタイミングで借地権を売却した場合、購入者はすぐに更新料を支払わなければなりません。そのため、更新時期は借地権が売れにくい傾向があります。
売却価格にも大きく影響するため、更新直前の売却はなるべく避けましょう。
②ローンの承諾を得る
金融機関が借地にある建物に対して融資をする際は、地主の承諾書を求めるのが一般的です。地主から借地権売却の許可を得られて購入者が見つかったとしても、地主が住宅ローンの借り入れを認めてくれない場合があります。
そもそも、所有権のない土地部分には抵当権が設定できません。築年数の古い借地権付き建物だけでは、住宅ローンが組めないケースも多いでしょう。住宅ローンが組めないと現金で支払わなければならないため、買い手は見つかりづらい傾向にあります。
売却活動を始める前に、借地権の担保評価額を金融機関に確認しておくのが安心です。
③信頼できる不動産会社に依頼する
借地権の取り扱いには複雑なルールが存在します。そこで、借地権の売却を検討するにあたっては、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。
経験豊富な不動産会社であれば、借地権付き建物の活用方法をはじめ共同売却・底地の買い取りなど地主との交渉も仲介してくれるため、安心して任せられるでしょう。
まとめ
借地権の売却相場はありませんが、おおよその売却価格の目安は把握できます。より詳しい評価額を確認したい場合は、借地権の取り扱いに慣れている不動産会社に相談してみましょう。
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