住み替えを考えたときに、「まだ住宅ローンが残っているから……」と前向きになれない人も多いのではないでしょうか。今回は、住宅ローン返済中の住み替えの方法と《3つの注意点》についてわかりやすく解説します。
住宅ローン返済中の住み替えは、「ローン残債額」と「家の売却予想価格」によって売却方法や手順が変わります。これからケース別に見ていきましょう。
1. 住宅ローンが残っている家の売却方法
◎まずは今の家の価値を知ろう!不動産会社に査定を依頼する◎
「今の家をできるだけ高く売ってローン返済資金に充てたい」と考えている人も多いでしょう。そうなると、「いくらで売れるか」を知ることは非常に重要です。
まずは、今の家の価値を知ることから始めましょう!
誰でも見ることができる「レインズマーケットインフォメーション」などのサイトで、今の家の条件(エリア、築年数、間取り)を検索してみると、おおよその売却価格の相場を掴むことができます。
もっともおすすめなのは、信頼できる不動産会社に査定を依頼すること!インターネットの一括査定サイトも手軽ですが、不動産会社に直接査定を依頼するほうが、より現実的な情報を得ることが期待できます。
ただし「売却査定額 = 売却価格」ではありません。なぜなら、実際の取引価格は売却してみないとわからないからです。
不動産会社を選ぶときは、査定額の根拠を論理的に説明できる営業マンかを見極める必要があるでしょう。
つぎに、売却予想価格がローン残債より下回る「アンダーローン」と、売却予想価格がローン残債を上回る「オーバーローン」で売却方法が異なりますので、ケース別に紹介していきます。
◎「アンダーローン」の場合は安全ライン◎
「売却予想価格が3,000万円でローン残債が2,500万円」といったケースをみていきましょう。
売却予想価格のほうがローン残債より上回っているため、売却時にローンを完済することができます。これは比較的安全な住み替えパターンです。手元に500万円の資金が残るので、新居購入の初期費用や、新たな住宅ローンの頭金にしてもよいでしょう。
流れとしては、今の家を売却したあとに新居の購入という「売り先行」が一般的な売却方法です。
もし資金に余裕がある人であれば、先に新居を購入する「買い先行」でもかまいません。その場合、ダブルローンになる期間に注意する必要があります。
◎「オーバーローン」の場合は自己資金を用意できるかが鍵◎
一方、「売却予想価格が2,500万円でローン残債が3,000万円」といったケースをみていきましょう。
ローン残債のほうが売却予想価格より上回っているため、売却時に差額の500万円を別に用意できるかが鍵となります。この500万円を預貯金で充当することができれば問題ありません。
もし自己資金が用意できないときは、「住み替えローン」を利用できるか検討してみましょう。住み替えローンは、自己資金がなくても、今のローンの残債と新居のローンをまとめて借りることができます。
つぎに、住み替えローンのメリットとデメリットについて解説します。
2. 住み替えローンのメリット・デメリット
◎住み替えローンのメリット◎
住み替えローンのメリットは、「ローンの残債があっても自己資金不要で住み替えができること」。金融機関によりますが、仲介手数料などの諸経費もまとめて借りることができます。
転勤や介護など必要に迫られて住み替えをしなければならない人や、自己資金をあまり用意できない人にとっては、検討の価値はあるでしょう。
◎住み替えローンのデメリット◎
住み替えローンの最大のデメリットは、「金利が高いこと」。住み替えローンは金利の優遇措置が適用されません。
また、年収、勤務先、勤務年数などの審査の基準が厳しく、取扱い金融機関も少ないこともデメリットのひとつです。売買と同時におこなうため、新居選びを焦ってしまう可能性もあります。
◎住み替えローンの審査が通らない場合は「任意売却」も検討する◎
住み替えローンの審査が通らない場合には、「任意売却」も検討してみるとよいでしょう。任意売却とは、住宅ローンの返済ができなくなった場合、売却後も住宅ローンが残ってしまう不動産を金融機関の合意を得て売却する方法です。
住み替えの理由が「毎月のローン返済が困難になった」という場合は、早急に金融機関に相談してみることをおすすめします。
3. 住宅ローンが残っている場合「売り先行」がおすすめ
住み替えは、「今の家の売却」と「新居の購入」の2つを同時に進めなければなりません。今の家を売却してから新居を購入する「売り先行」と、先に新居を購入してから今の家を売却する「買い先行」には、それぞれメリット・デメリットがあります。
住宅ローンが残っている場合は「売り先行」がおすすめ!「売り先行」をおすすめする理由は、金銭的負担が軽く、堅実な資金計画を立てることができるからです。
仮に新居の購入を先行させて今の家が希望の金額で売れなかった場合、資金計画が大きく狂うことになってしまいます。ローンの残債がある場合は、「売り先行」のほうが新居の予算が確定するので安心ですよ。
4. 住宅ローンが残っている場合の住み替え注意点
注意点① 過剰な借り入れは避ける
住み替えにあたり、ローン借入額を多くしすぎた結果「住宅ローン破産」を招くというケースは、意外と多く存在します。
住み替え時の年齢が40歳だったとすると、35年ローンを完済するのはなんと75歳!はたして、住宅ローンの返済を抱えながら、教育資金や老後資金を確保することができるでしょうか。
住宅ローン控除などの優遇制度は大変魅力ですが、あらゆるリスクを想定して、過剰な借り入れをすることは避けたほうがよいでしょう。
注意点② 綿密な返済計画を立てる
住み替えでは綿密な返済計画を立てることが重要。売却にかかる費用、購入にかかる費用、仮住まいの費用をそれぞれ多めに見積もっておくことで、余裕のある返済計画を立てることができます。
働き方改革や終身雇用制度の崩壊により、ボーナスや退職金に依存しすぎないことも重要です。ここは手を抜かないでしっかり計画しましょう!
注意点③ 「売却」と「購入」は同じ不動産会社にする
「今の家の売却」と「新居の購入」は同じ不動産会社にしたほうが◎!効率よくスムーズな取引ができます。別々の不動産会社にしてしまうとスケジュール調整がうまくいかず、売買のタイミングが大幅にずれてしまうことも。
高く売るだけでなく、積極的に新居の紹介をしてくれる不動産会社を選ぶことがポイントです。
5. まとめ
住宅ローンの残債があっても住み替えは可能です。住み替えを成功させる最大の秘訣は、よい不動産会社に出会うこと!
3つの注意点をおさえて、失敗しない住み替えを実現してくださいね。
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