「譲渡」とは、有償・無償を問わず権利を譲り渡すことを意味します。譲渡と似たような言葉に「贈与」や「相続」がありますが、それぞれの違いを理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこで本記事では、土地の譲渡とはどのようなものか、贈与や相続との違い、発生する費用の内訳などについて詳しく解説します。
1.土地の譲渡・贈与・相続の違い
まずは、土地の譲渡とは何か、そして贈与や相続との違いを詳しくご説明しましょう。
①譲渡とは
不動産の譲渡は、「所有権を有償で譲り渡すこと」を意味します。
一般的に使われている譲渡という言葉は、有償や無償を問わないケースがほとんどのため、「何かを譲り渡す」というイメージを強くお持ちの方も多いでしょう。しかし、土地を譲渡する際は、金銭のやり取りを行い、不動産登記を通して正式に所有権が第三者に移ります。また、所有権が移ることで、土地の価値に応じた税金が課されます。
②譲渡と贈与の違いとは
贈与は、無償で所有権を譲り渡す行為です。譲渡と贈与の違いは、「有償・無償で譲り渡すか」、そして「課税対象者は誰なのか」の2つにあります。
贈与は親から子、親族間、友人同士などさまざまな状況で行われますが、原則として無償で土地の所有権を譲り渡します。これが、お金のやり取りが発生する譲渡との大きな違いです。
また、贈与の場合は、贈与された側が贈与税を支払います。一方、譲渡の場合は、譲渡した側が所得税や住民税などの税金を支払わなければなりません。
贈与税と所得税・住民税では税率が異なるため、どの程度税金の負担に違いが出るかを事前に確認しておきましょう。
③譲渡と相続の違いとは
土地の譲渡が有償で所有権を譲り渡すものであるのに対し、相続は「所有者が死亡したことで所有権を引き継ぐ行為」を意味します。
相続する際は、死亡した人を「被相続人」、相続する人を「相続人」といいます。相続においては、贈与と同様、所有権を引き渡す際にお金のやり取りは発生しません。ただし、土地の所有権を引き継いだ人に対して相続税が課せられます。
相続税には非課税枠があり、一定の範囲内であれば税金が発生しないので、所有者が元気なうちに相続についての対策を考えておくことが大切です。
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2.土地を譲渡するときに発生する費用とは
土地の譲渡で発生する費用には、大きく分けて、購入する側が負担する「取得費用」と譲渡する側が負担する「譲渡費用」があります。それぞれの費用の内訳をご紹介しましょう。
①取得費用
取得費用とは、土地の購入代金や購入手数料などの合計額です。土地を購入する側が負担する費用であり、次のようなものが挙げられます。
・土地の購入代金
・購入時にかかった税金(登録免許税、不動産取得税、契約書の印紙税など)
・仲介手数料
・測量費
・土地の造成費用
・改良費
・一定の借入金利子など |
土地を譲渡された側は、土地の購入代や税金などを支払う必要があります。その他にも、土地を活用するためには測量や造成の費用、住宅ローンを組む際は利子も発生するでしょう。
②譲渡費用
譲渡費用とは、譲渡する側が支払う費用であり、次のようなものが挙げられます。
・売却時にかかる仲介手数料
・建物の取り壊し費用
・譲渡によって発生する税金など |
不動産業者に支払う仲介手数料のほか、譲渡によって発生するさまざま税金の支払いが必要です。
3.土地を譲渡する際に発生する税金とは
土地を譲渡する際に発生する税金は、主に次の3つです。
ここからは、それぞれの税金について詳しく解説しましょう。
①譲渡所得税
譲渡所得税とは、土地の売却で利益が出た際に課される税金のことです。ちなみに、所得税・住民税・復興特別所得税をまとめて譲渡所得税といいます。
売却時に出た利益を「譲渡所得」といい、譲渡所得の額から控除される金額を差し引いた「課税譲渡所得」に税率をかけて、最終的に支払う税金を計算します。
①譲渡所得の計算式
譲渡所得=土地の売却金額-土地の購入金額(取得費)-売却にかかった経費
②課税譲渡所得の計算式
課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除
③税額の計算式
税額=課税譲渡所得×税率(所得税・住民税・復興特別所得税) |
税額の計算をする際に用いられる税率は、土地を所有していた年数によって異なります。譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下、もしくは5年を超えるかによって、税率が大きく変動するので注意しましょう。
所有期間 |
名称 |
税率 |
所得税 |
住民税 |
5年以下 |
短期譲渡所得 |
30% |
9% |
5年超え |
長期譲渡所得 |
15% |
5% |
また、2037年までは復興特別所得税も加算されるため、所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付しなければなりません。
例えば、売却金額が6,000万円・取得費用が2,000万円・売却にかかった費用が500万円で、所有期間が30年の土地の場合は、次のように計算されます。
①譲渡所得
譲渡金額6,000万円-取得費用2,000万円-売却にかかった費用500万円=3,500万円
②課税譲渡所得
譲渡所得3,500万円-特別控除3,000万円※=500万円
(※居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除が適用される場合)
③税額の計算式
譲渡所得500万円× (長期譲渡所得20%+復興特別所得税2.1%)=譲渡所得税110万5,000円 |
②登録免許税
登録免許税とは、土地を売却して、新しい所有者名義に登記内容を変更する際に支払う税金です。
登録免許税の税率は登記方法によって異なりますが、譲渡の場合は売却価格の2%がかかります。例えば、6,000万円で売却した土地に対する登録免許税は120万円です。
③印紙税
印紙税とは、契約書や領収書などの書類に添付する印紙を購入し、納付する税金のことです。印紙税の金額は、契約の種類や売却金額によって異なります。
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4.土地を譲渡する際の手順
土地を譲渡する際は、不動産会社に仲介を依頼するケースが一般的です。
土地を譲渡する流れは次のとおりです。
・不動産会社に相談する
・不動産会社と契約を結ぶ
・買い主と売買契約を結ぶ
・決済、引き渡し
・確定申告、納税をする |
買い主とのトラブルを防止するためにも、土地の売買に精通した不動産会社に依頼しましょう。
5.まとめ
土地の譲渡・贈与・相続は、似たニュアンスを持つ言葉であるものの、意味が大きく異なります。それぞれの意味や違いを正しく理解して、土地を手放す際の参考にしてください。
譲渡により土地を売却する場合は、税金や諸費用がかかるため、まとまったお金が必要となります。信頼できる不動産会社に相談しながら、なるべく税金の負担を抑えられるよう対策していきましょう。
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