最近、リノベーションを検討している方たちのなかで注目されているのが「性能向上リノベーション」という考え方です。
性能向上リノベーションは、快適さや安心感を高めるだけでなく、省エネや将来の資産価値アップにもつながると人気を集めています。本記事では、これからリノベーションを検討している方に向けて、性能向上リノベーションの魅力を詳しく解説します。
1. 性能向上リノベーションってなに？
性能向上リノベーションとは、間取りの変更や内装・外装の改修だけでなく、築年数が経過した住宅に対し「断熱性」「耐震性」「防音性」などの基本性能を向上させることを目的としたリノベーションです。
一般的なリノベーションでは、間取りの見直しや内装・設備の刷新により、暮らしやすさやデザイン性を高めることを目的とするケースが多くみられます。一方、性能向上リノベーションでは、そうした改修に加えて、建物の基本性能そのものを高めることに重点を置いた施工を行う点が大きな特徴です。
具体的には、次のような施工を中心に行います。
| |
施工内容 |
| 断熱性能 |
外壁や屋根裏、床下などへの高性能断熱材の充填、断熱性の高い窓への交換 |
| 耐震性能・耐久性能 |
基礎補強、柱や梁の補強、耐力壁の追加 |
| 防音性能 |
遮音材・吸音材・ 防振材の設置 |
このように、性能向上リノベーションは、間取りや内外装の改修だけでなく「安心して長く快適に住める家にする」ことを目的としているのです。
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2. 性能向上リノベーションが注目されている理由
性能向上リノベーションが近年注目を集めている理由を詳しくみていきましょう。
①住宅の老朽化問題
住宅の老朽化問題は、性能向上リノベーションが注目されている大きな理由の一つです。
昔の住宅は、断熱性や耐震性の基準がかなり緩い状態で建てられていました。特に、1981年5月以前に建てられた建物は「旧耐震基準」によって設計されており、震度6強以上の地震では倒壊のリスクが高いとされています。
耐震性や耐久性の低い建物であれば、見た目だけをきれいにするのではなく、家の中身である「構造や性能」も整えることが大切です。
断熱材の入れ替えや耐震補強、水回りの配管の交換など、性能向上リノベーションによって目に見えにくい部分にまで手を加えることで、住宅の機能性だけでなく将来的な資産価値アップにもつながるでしょう。
②住宅の省エネ化や脱炭素化の流れ
近年、国内では、省エネ化や脱炭素社会の実現に向けた住宅の性能向上が強く推進されています。「エネルギーを使いすぎない家づくり」が持続可能な社会に必要だと考えられているためです。
性能向上リノベーションによって断熱性能を高めれば、光熱費が抑えられるのはもちろん、環境にもやさしい家づくりにつながります。
現在の住まいを長期間にわたって快適に使いたい方や、将来の住宅売却を考える方にも、性能向上リノベーションは価値ある選択肢といえるでしょう。
③中古市場の需要の高まり
日本では、昔から「家を購入するなら新築物件」という考えが主流でした。しかし、最近では価格の手頃さや自由にリノベーションができることから、中古住宅の人気が高まっています。
ただし、中古住宅には「性能面が不安」という声も多いことから、断熱性や耐震性を高める性能向上リノベーションが注目されているのです。性能向上リノベーションによって、将来の売却時にも価値のある住宅として評価されやすくなる点が魅力です。
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3. 性能向上リノベーションのメリットとは
性能向上リノベーションを施す5つのメリットを詳しくみていきましょう。
①新築よりもコストを抑えられる
性能向上リノベーションの最大のメリットは、新築に比べてコストを抑えられる点です。
建物の構造や基礎を活かすことで、コストパフォーマンスが高くなり、新築の3分の2程度に費用を抑えられるともいわれています。
特に、都心や人気エリアでは新築住宅の価格が高騰しているため、同じ予算でも中古物件に性能向上リノベーションを施す方が、広さや立地の条件を叶えやすいというケースも多くみられます。
②間取りや設備を自由に設計できる
性能向上リノベーションのメリットは、自分たちのライフスタイルに合わせて間取りや設備を自由にカスタマイズできることです。
例えば「仕切りの多い昔ながらの間取りを、広々としたリビングダイニングに変更する」「キッチンやお風呂を最新設備に交換する」「収納スペースを増やす」といったように、新築物件以上に細かな部分までこだわれるでしょう。
「自分たちらしい家にしたい」とこだわりたい方には、性能向上リノベーションはおすすめの選択肢です。
③健康リスクを回避できる
断熱性の低い住宅では、部屋ごとの温度差が大きくなりがちです。こうした寒暖差はヒートショックの原因となり、特に冬場にリスクが高まります。さらに、断熱や換気が不十分だと結露によるカビやダニの発生につながりやすく、アレルギーやぜんそくを引き起こすケースも珍しくありません。
性能向上リノベーションでは、住宅全体の断熱性と気密性を高めることで温度差の少ない快適な環境をつくれるため、健康リスクの軽減が期待できます。
④安心・安全な生活を送れる
性能向上リノベーションによって住宅の耐震補強や防災性の高い設備を導入すれば、万が一の災害時にも強い住まいづくりを実現できるでしょう。
さらに、防犯性能の高い玄関や窓・サッシへの交換をすることで、日常生活における安心感もアップします。日々の暮らしの安全性を高めながら、いざというときにも備えられる家にアップデートできるのが、性能向上リノベーションの大きなメリットといえます。
⑤ランニングコストを抑えられる
住宅は「建てて終わり」「購入して終わり」ではなく、住み続けるなかで発生する光熱費や修繕費などのランニングコストが大きな負担となるものです。
性能向上リノベーションでは、断熱性や気密性を高めることで冷暖房効率が上がり、光熱費を大幅に削減できます。特に、高性能な窓を取り入れたり、遮熱・断熱性の高い屋根や外壁材を採用したりすれば、夏も冬も快適に過ごしながら省エネにもつながるでしょう。
「月々の出費をできるだけ減らしたい」「将来的な修繕リスクを減らしたい」という方にとっても、性能向上リノベーションは賢い選択といえます。
4. まとめ
性能向上リノベーションは、見た目の美しさだけでなく、断熱・耐震・防音など住まいの基本性能を高められる点から、近年注目を集めているリノベーションです。
快適さや安全性が高まるだけでなく、将来の売却時にも「価値のある住まい」として評価されやすくなるのも大きなメリットといえます。持ち家のリノベーションを検討している方は、性能向上リノベーションを一つの選択肢に加えてみましょう。
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