平成29年の司法統計によると、離婚原因の第1位は男女ともに「性格が合わない」という結果になっています。一度は愛を誓い合って一生を添い遂げる約束をしたのに、悲しい現実ですよね。
そんな中、「性格が合わないだけで離婚できるの?」「相手が離婚に応じないからどうにかしたいけど……」などと悩んでいる方も多いでしょう。
結論からいうと、性格が合わないという理由で離婚をすることは可能です!
今回は、「性格の不一致で離婚する方法」を詳しく解説していきます。これから離婚を考えている方は参考にしてみてくださいね。
参考資料:裁判所 平成29年司法統計19 婚姻関係事件数 申し立ての動機別申立人別 全家庭裁判所
https://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/list?page=2&filter%5Btype%5D=1&filter%5ByYear%5D=2017&filter%5ByCategory%5D=3
1.性格の不一致の具体例
性格の不一致といっても、さまざまな種類が存在します。ここでは4つの具体例を見ていきましょう。
①生活での価値観の違い
夫婦はしょせん、他人同士。育ってきた環境の違いから「生活での価値観」にズレが出てくるものです。例えば、
・夫はアウトドア好きで、休日はキャンプをしたり家族で出かけたりしたい
・妻はインドア派で、休日はゆっくり過ごしたい
このような夫婦は、休日の生活スタイルにズレが生じますよね。その結果、生活を続けることで「ストレス」を感じるように。
②教育方針の違い
子どもへの教育方針の違いもありがちです。
・夫は子どもに対して良い教育を受けさせたい
・妻は子どもが好きなようにのびのびと育ってほしい
子どもをどう育てていきたいかは、夫婦にとってとても重要なこと。教育方針にズレが生じてしまうと、「このまま婚姻生活を続けると子どもの将来を一緒に喜べないのでは……」などと不安を抱き、離婚へ発展してしまうことがよくあります。
③金銭感覚が違う
金銭感覚も、夫婦生活を続けるうえではとても重要なことです。
・夫は浪費家で、パチンコやギャンブルにお金を使う
・妻は節約家で、浪費を抑えたい
この二つの金銭感覚の違いは明らかですよね。このまま生活を続けると、不満が爆発して離婚へと向かう可能性が高まっていきます。
④「ずぼら」VS「几帳面」
一番分かりやすいのが、「ずぼら」な性格と「几帳面」な性格の違いでしょう。
例えば、ずぼらな性格の妻は
・部屋が汚くても気にしない
・料理に手を抜く
といった特徴があります。夫が几帳面な性格だと、かなりのストレスを感じることになりますよね。
2.性格の不一致で離婚する方法
実際にお互いの性格の不一致を理由に離婚するためには、どんなことをする必要があるのでしょうか。ここでは2つの方法をお伝えします。
①話し合って離婚する「協議離婚」
夫婦同士で話し合いを行って離婚を決める方法です。離婚についてお互いが合意すれば、どんな理由であっても離婚は成立します。
しかし、どちらか一方が離婚に反対すれば、いつまでたっても離婚が成立しません。そこで、夫婦以外の第三者である「裁判所」に解決してもらう方法があります。
②裁判所を通して離婚する「調停離婚」
夫婦同士で話し合いを行っても離婚の合意に至らない場合に、離婚調停や離婚審判などを申し立てて裁判所で解決する方法です。
離婚に関するさまざまな問題に対して話し合いを行う調停や、裁判所で審理をして離婚判決を下してもらう審判によって、お互いが離婚に納得して合意することになります。
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3.性格の不一致で離婚する流れ
ここでは、性格の不一致で離婚をする際の流れを解説します。お互いに合わないところを伝え合い、離婚するメリットや離婚後の生活をイメージして夫婦でしっかりと話し合うことが大切です。
①離婚の意思を告げる
「離婚したいな……」と心の中だけで思っていても、相手には伝わりません。まずは相手に離婚したい意思を伝えましょう。
直接伝えたくない場合は、LINEやメールで伝えるだけでも大丈夫。相手も離婚したい気持ちがあれば、スムーズに離婚できます。
②お互いの性格の「何が合わないか」を伝える
相手を離婚に合意させるためのポイントとして、「お互いの性格で何が具体的に合わないのか」を認識し合うことが大切です。例えば、
「旅行で遊園地に遊びに行ったとき、天気も良く、私は色々な乗り物に乗れてとても楽しんでいたのに、あなたは乗り物待ちの行列にイライラして楽しくなさそうにしていたよね。普段の生活でも喜びを共感することが少なく、性格が合わないよ」
などと具体的に伝えることで、相手に「お互いに性格が合わないんだな」と認識させましょう。
③離婚後の「メリット」を伝える
お互いの性格が合わないことをふまえて、「離婚すればこんなメリットがある」ということを相手に伝えてみてください。
「離婚することでお互いにメリットがたくさんあるよ。私は好きな遊園地に行ったり旅行したりして楽しめるし、あなたも好きなように生活できる。お互いのことでストレスを抱える必要もないから、離婚したほうが幸せな人生になるんじゃない?」
などと、離婚をすることでお互いにメリットがあるのだと伝えれば、相手も離婚に対して前向きになってくれるでしょう。
④新居などの準備
相手がある程度離婚に対して前向きになったら、次のステップは「新居に関する準備」です。
離婚が成立するまでの間に、
・新しい家の候補を3~4物件にしぼり、内覧をしてみる
・家具や家電を用意する
・子どもの保育園、幼稚園を探す
・子どもの学校の手続きを行う
などの準備をしておきましょう。離婚後にバタバタしなくて済むのでラクですよ。
⑤離婚届を提出
離婚の準備が完了したら、最終的に離婚届を提出。離婚届は役所に行けば簡単にもらえます。
時間がなくて役所に離婚届を取りに行けない方は、インターネットでダウンロードすることも可能です。ただし、自治体によってはダウンロードした離婚届は受理できないケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
4.性格の不一致で離婚できないケースも
お互いが合意したなら、性格の不一致を含めどんな原因であっても離婚できます。しかし、法律上の離婚原因としては認められていないため、「性格が合わないから離婚裁判だ!」という申し立てができません。
法律上で認められる離婚原因は以下の通り。
・不貞行為
・3年以上生きているのか分からない
・重い精神病があるなど
性格の不一致を理由に離婚したい場合は、夫婦の話し合いで離婚に合意する方法のほかに「別居をする」という方法があります。時間はかかりますが、別居が長引くことで離婚原因として訴訟で認められやすくなるので、ぜひ検討してみてください。
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5.まとめ(弁護士と提携している不動産会社に相談するのがおすすめ)
今回は、性格の不一致で離婚をする方法を解説しました。法的な離婚原因とはならないため、一方的に性格の不一致を理由に離婚の訴えを起こすのは難しいでしょう。
「夫婦でしっかりと話し合い、離婚するメリットを相手に理解してもらうこと」がスムーズな離婚を成立させるコツです。また、離婚後は
・新たな住まいが必要
・離婚時の財産分与について
・養育費や慰謝料について
などの問題が山積みのはず。離婚に詳しい弁護士と提携している不動産会社に相談すれば、スムーズな悩み解決が実現できますよ。ぜひ一度相談してみてくださいね。
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