家を買うときに「住宅ローン」を使う方は多いでしょう。住宅ローンを借りて家を購入した場合、年末時点での住宅ローン残高の0.7%が13年間にわたり控除される「住宅ローン控除」という制度を利用することができます。
でも、住宅ローン控除を受けたいけど
「どんな書類が必要なの?」
「何から手をつけていいか分からない……」
という方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、住宅ローン控除を受けるにあたって初年度に行う確定申告や手続きの方法、流れを解説します。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
1.「住宅ローン控除」初年度は自分で申請しなければならない!
住宅ローンを使って家を購入したり建築したりした場合は、「住宅借入金等特別控除」いわゆる住宅ローン控除を受けることができます。住宅ローン控除を受けるためには、初年度に「確定申告」が必要です。
①申請場所や時期
住宅ローン控除を受けるためには、住み始めた翌年に確定申告をしなければなりません。
会社員などの給与所得者:家を購入・入居した翌年の1月4日から3月15日まで
自営業などの個人事業主:2月16日から3月15日まで
必要書類を準備したら管轄の税務署に持参して提出するか、郵送やインターネットを使って手続きすることも可能です。国税庁のホームページに確定申告作成コーナーや無料相談所も設けられているので、分からない場合は相談してみましょう。
また、万が一初年度の確定申告を忘れてしまっても大丈夫。5年以内(還付申告する年分の翌年1月1日から5年間)に還付申告を行えば、住宅ローン控除を受けられます。
ただし、5年以上経過してしまうと住宅ローン控除が受けられなくなってしまうので要注意です。
②初年度は自ら行う
「確定申告のことはよく分からない」「会社がやってくれるから大丈夫」と思っている方は気を付けましょう。初年度は、住宅ローン控除の申請を自ら行う必要があります。
また、必要書類を用意して税務署に「直接提出する」ことをおすすめします。税務署で「住宅ローン控除の申請に来た」と伝えれば、確定申告書の書き方を丁寧に教えてくれるので安心してくださいね。
「確定申告時にバタバタしたくない!」「事前に誰かに相談したい!」という方は、税務署の相談コーナーや家を購入した不動産屋、住宅メーカーに確認することもできます。
③2年目以降は会社がしてくれる
初年度の確定申告が無事に終わると、10月下旬ころに
Ⓐ「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」
という書類が税務署から送られてきます。控除を受けられる12年分(初年度の分を除く)が送られてくるので、なくさないように気を付けましょうね。
さらに、住宅ローンを組んでいる金融機関から
Ⓑ「住宅ローンの年末残高証明書」
が届きます。このⒶⒷ2つの書類は、会社の源泉徴収を行うときに必要です。しっかり保管しておきましょう。
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2.控除を受けるための5つの条件
住宅ローンを受けるためには「5つの条件」があります。また、借入先も金融機関などの決められた機関に限られます。親や親族、個人の方からの借り入れは控除の対象外となるため気を付けましょう。
条件1:住宅ローンの借入期間を10年以上にすること
例えば、「返済期間をできるだけ短くしたいたから8年の期間で組んだ」といった場合は適用外です。
条件2:控除を受ける年の所得が2,000万円以下であること
例えば医師や弁護士、プロスポーツ選手など、2,000万円を超える収入の方は、住宅ローン控除適用外となります。
条件3:床面積が50㎡以上の住宅であること
マンションの場合、廊下や階段などの共用部分は含まれず、専有部分の床面積となります。
条件4:住宅ローンの契約者が「住む」こと
住宅ローンを組んだ名義人が違う場所に住んでいる場合は、適用外です。
条件5:昭和57(1982)年以降に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)であること
2021年までは、中古住宅で住宅ローン控除を受けるための要件は以下の通りでした。
・木造住宅は築20年以内のもの
・鉄筋コンクリートなどの耐火構造物は築25年以内のもの
しかし、2022年の法改正で築年数要件が撤廃され、
・昭和57年以降に建築された住宅
が適用対象に。古めの中古住宅を購入する方でも、住宅ローン控除が受けられます。
3.住宅ローン控除に必要な書類
ここでは、住宅ローン控除申請に必要な書類をご紹介します。聞き慣れないものもあるかもしれませんので、分かりやすく解説していきますね。
①本人確認書類
免許証やマイナンバーカードのこと。顔写真つきのものを準備しましょう。
②源泉徴収票
給与を会社からもらっている方は、勤務先から「住宅を購入した年の源泉徴収票」を取り寄せることができます。
③住宅借入金等特別控除額の計算証明書
控除できる額などを計算するための書類で、税務署に備え付けてあります。国税庁のホームページからもダウンロード可能です。
④住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
住宅ローンを借りている金融機関から届く証明書。年末時点でのローン残高が記載してあります。ローン残高をもとに毎年の控除額を計算します。
⑤土地建物の登記簿謄本
法務局で取得できます。誰でも取得できるため、委任状などは必要なく、本人以外が取りに行ってもOKです。
⑥家を購入したときの契約書関係
不動産売買契約書や建物請負契約書のこと。「どこに保管したか分からない!」という方は、購入した不動産会社や住宅メーカーに相談しましょう。契約書関係の控えを不動産会社も保管しているケースがあります。
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4.住宅ローン控除の確定申告手続きの流れ
ここでは、初年度に行う住宅ローン控除の確定申告の手続きの流れを解説します。必要書類をしっかり準備すれば、あとは書類に記入して税務署に提出するだけ。コツさえつかめば簡単かつスムーズに手続きができますよ。
①必要書類の準備
住宅ローン控除に必要な書類の準備は、一つ一つ確認しながら行いましょう。書類の中には、すぐに取得することができず時間がかかるものも。余裕をもって準備しておくと安心です。
②税務署などで書類に記入するだけ
必要書類がすべて揃ったら、いよいよ確定申告書に記入します。記入方法が分からない場合は税務署窓口や相談コーナーで教えてくれるので、心配いりません。
③パソコンやスマホでも作成できる
税務署に行くのは忙しくて無理!という方は、インターネットを使って申告することもできます。隙間時間にスマホで作成したり、仕事が終わった夜にパソコンで作成したりできるので便利ですね。
5.初年度は「すまい給付金申請」も!
家を購入したときに受けられるのは住宅ローン控除だけではありません。「すまい給付金」というものもあります。すまい給付金とは、消費税の増税による負担を緩和するため収入に応じて現金が支払われる制度。
住宅ローン控除とすまい給付金をそれぞれ分かりやすくいうと、以下の通りです。
住宅ローン控除……支払い済みの所得税などの税金から年末に控除する仕組み。
すまい給付金……住宅ローン控除の効果があまり及ばない方に対して、消費税の引き上げによる負担を軽くするもの。
住宅ローンを利用する場合(消費税10%の場合)
収入の目安
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給付基礎額
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450万円以下
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50万円
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450万円超525万円以下
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40万円
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525万円超600万円以下
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30万円
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600万円超675万円以下
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20万円
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675万円超775万円以下
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10万円
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※所得割額(所得金額に比例して課税される住民税額は省略)
上記のように、収入が450万円以下であれば50万円もの給付を受けることができます。取りこぼしのないようにしたいですね。
参考資料:給付基礎額と都道府県民税の所得割額 https://sumai-kyufu.jp/pdf/kyuhu.pdf
6.まとめ
住宅ローン控除は、13年間も税金が返ってくる素晴らしい制度です。初年度こそ確定申告が必要ですが、税務署で相談すれば丁寧に教えてくれますし、意外と簡単ですよ。
住宅ローン控除をうまく利用して、素敵なマイホームを手に入れてくださいね。ハウスウェルでは、住宅ローン控除に関する相談や不動産に関する相談ができます。一度お気軽にご相談ください。
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