離婚の話し合いにおいて、
・お互いの妥協点が見つからない
・一方が感情的になり話し合いが不可能になってしまう
というケースがあります。このような事態の対処法が、家庭裁判所を介して行なわれる調停離婚。そして、調停でも離婚が成立しない場合に、最終手段として行なうのが「裁判」です。
裁判を開始すると決して短くない期間を費やすことになるため、事前に手順などについて把握しておくことが大切です。今回は、裁判離婚におけるメリット・デメリット、裁判の判決後の流れなどについて詳しく解説します。
1.裁判離婚のメリット・デメリット
裁判離婚にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、裁判離婚のメリットとデメリットを紹介しましょう。
①メリット
裁判離婚のメリットは、「確固とした法律に基づき、なおかつ裁判官という強い決定権を持った第三者による判断が下されること」です。
夫婦での話し合いの場合、相手が感情だけで先走ってしまうと、こちらが正しいことを主張しても聞く耳を持ってくれず話し合いが成立しませんよね。しかし、裁判で法律に沿った公平な立場で判断をしてもらえれば、相手が感情だけで拒否をしたとしても強制的に離婚が成立します。
相手方は裁判の判決に従わないといけません。養育費や慰謝料の支払い拒否をした場合、法律によって裁かれて財産差し押さえなどの処分を受けることになります。
②デメリット
裁判離婚のデメリットは、「費用や時間が費やされること」です。裁判にまで発展する離婚ではどちらも自らの主張を譲らないため、裁判のときも主張と立証を繰り返すことになるでしょう。
裁判が長引けばそれだけ費用もかかり、精神的にも負担がかかりますよね。また、裁判を大々的に行なうと、離婚問題でもめていることが公になって多くの人に知られてしまうリスクもあります。
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2.裁判離婚の手順・費用
ここでは、裁判離婚の手順、裁判にかかる費用はどうなっているのかをご説明します。
①裁判離婚の手順
裁判離婚を行なう際は、その前に離婚調停の手続きを終えていることが前提。配偶者が行方不明など話し合いが困難な場合以外は、まず離婚調停をしなくてはなりません。
その後の手順は以下の流れで行ないます。
1.裁判所に提起
2.第1回口頭弁論期日の通知
3.被告の答弁書の提出
4.尋問
5.判決
②裁判離婚の費用
裁判離婚では、収入印紙代1万3,000円・郵便切手代6,000円(相場)・戸籍謄本発行手数料450円などがかかり、弁護士に依頼するとさらに費用が発生します。
裁判離婚の手順、裁判にかかる費用などについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
「離婚訴訟|裁判に勝つ5つの「コツ」&判決までの流れ」
「【離婚裁判】弁護士費用を下げる5つのコツ」
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3.裁判離婚・判決後の流れ
裁判離婚においては、裁判で判決が出たあともやるべきことがあります。正式に離婚を成立させるため、裁判後の流れも知っておきましょう。
また、裁判をしても離婚問題が解決しないケースもありますので、事前にそのような事態も想定し、どう対処すればよいのかを把握しておくと安心です。
では、裁判離婚のあとの流れをタイプ別にご説明します。
①判決確定の場合
裁判離婚において原告の離婚請求が認められた場合、つまり離婚希望者の希望が通った場合は、裁判所を通して法律に従い離婚が成立したことになります。
判決上離婚成立となったら、原告・被告に対し、裁判所が作成した「判決書」という文書が送達される仕組みです。判決書とは、判決理由などが記載された文書のこと。裁判官の署名・印も記載されています。
判決書を受け取ってから2週間以内に控訴がなければ、判決内容が確定します。確定が完了したら、原告側はそれを証明するための「判決確定証明書」を発行する手続きをしましょう。
判決確定証明書は役所で離婚手続きをする際に必要で、この書類がないと離婚成立は達成できないので注意してくださいね。また、判決確定後、自動的に発行されるものではないため、申請書を作成して提出しなくてはいけません。
判決確定証明書を受け取ったら、次にやることは役所で行なう離婚届の手続きです。離婚届の提出は、判決確定後の10日以内に行なう必要があります。
離婚手続きは管轄の役所の戸籍係窓口で行ないましょう。必要書類は、役所で作成する離婚届、判決確定証明書、判決書謄本(判決書の写し)、身分証明証です。
通常の離婚であれば相手方の署名捺印が必須ですが、判決確定証明書があれば相手方のサインは必要ありません。
ここまでの手順をすべて完了すれば、公式に離婚成立となり晴れて独身となれますよ。
②和解の場合
裁判離婚では、「判決前の段階で話し合いで解決しよう」という流れがあります。これを和解離婚といい、実はこの和解離婚が裁判離婚において最も多いパターン。
裁判の答弁、反論、尋問などで時間がかかると、心身ともに疲弊してしまいますし費用もかかります。手間や経済的な負担を省くために、双方が妥協して和解を選ぶケースは珍しくありません。
夫婦である原告・被告が和解の話し合いを選択することもあれば、裁判官が和解を提案することも。どちらの場合でも、話し合いの際は裁判官が仲介人をします。
裁判離婚をする夫婦は、裁判へ発展するまでに公的機関を介さない話し合いである協議離婚から始まり、家庭裁判所を介した調停裁判も行なっており、長期にわたって何度も衝突をしています。
すでに心身ともに疲弊した状態なので、早く終わらせたくて和解という選択をする夫婦が多いのです。この段階になるとお互いに妥協点のハードルが低くなっているため、スムーズに和解することができるでしょう。
原告・被告の和解が成立したら、裁判所から「和解調書」という文書が発行されます。和解調書を受け取ってから10日以内に役所へ離婚届を提出すれば、離婚成立。役所へは離婚届と和解調書の写しを提出します。
和解調書によって離婚成立の同意が証明されているため、離婚届に相手方の署名捺印は必要ありません。
③判決を棄却された場合
裁判離婚で自分の主張が却下された場合や判決内容を被告側が棄却した場合、判決に不服がある場合は、高等裁判所への訴訟、最高裁判所への上告をする流れになります。
しかし、ここまで裁判が長引くと長期化による経済面の負担や心身の消耗が激しくなるため、裁判離婚で訴訟・上告まで行なう夫婦はほとんどいません。
また、裁判が長引くと世間体や社会的な印象も悪くなり、メリットよりデメリットの割合が大きくなってしまいます。デメリットが大きくなる前に、和解という選択をした方が無難といえるでしょう。
裁判離婚を長引かせないためには、
・弁護士に相談する
・DV、不貞行為の場合はそれを裏付ける証拠をしっかりと用意する
などの準備が必要です。
4.まとめ
離婚問題が裁判にまで発展した場合、法律などの知識が必要となるため、「何をどうしたらよいのかわからない」という人も少なくありません。
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